葉脈まで見るように人の体験をつくってきた。

成り立ちを紐解く

人の理想の働き方から考え、設計していくコクヨの家具。体験からデザインし、クオリティに、細部にこだわる。それがコクヨの家具づくりの特徴です。まるで葉脈を見るように、どこまでも追求します。

Feature 01

体験を可視化し、使う人の気持ちまでつくる

当たり前を疑う、コクヨ家具づくりの価値観

体験をデザインするという行為は、「体験を可視化する」ということ。家具という物理的なイスとかデスクだけをつくっているわけではなく、私たちは使われているユーザーの方の動きや気持ち自体を開発しています。「この造形だからこそ、人の動きがこう変わる!」「こういう作用が起こる!」といったことをイメージします。

「それがあることで、お客様はどう変わるの?」 チームのみんなで常にそのような投げかけや議論を重ねています。使う人のこと・使うシーンまでを含めてデザインする。それが家具領域にとっての体験デザインであり、すべての商品に盛り込まれています。

歴史的にも、はじめてコクヨがスチール分野に進出したのは、新規事業立ち上げを目指したことがスタートではありません。これまで紙類、書類を提供してきた会社として、ユーザーを思い、単に「鉄の箱」ではなく、文章の保管テクニックを提供するという決意からキャビネット製造へと発展。それはすごくコクヨらしい家具事業のはじまりでした。オフィスのシーンや体験を描いているからこそ、その後すぐにスチールデスク・回転椅子・収納という一式を揃えるようになったのです。

造形の話は大切です。しかしそれ以外の、価値をどうつくるという議論が圧倒的に多いかもしれません。そしてまたいつも掘り起こしている気がします。「そもそもそれでいいの?」「本当に心地いいの?」といったように、当たり前とされていることを疑っています。もうとんでもない探求マニアなのかもしれません。

体験デザインを体現するこんな商品があります

テーブル+αのオフィスシステムCスクウェア(1998年) テーブルを軸に多様なオプションを組み合わせて機能転換を自由にし、組織変更にフレキシブルに対応。
収納システムユニフレックス(2003年) 収納物へのアクセスのしやすさと雑多な物を効率よく収納する、「収納体験」をスムースにしたシステム収納。
窓口向けロビーチェアーMadre(2011年) 多様な人が気遣いなく過ごせるよう、たくさんの気配りをカタチに。肘や背もたれのないサイドシートが特徴。

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次世代のオフィスチェアーingCloud(2025年) 「座る体験」を革新しつづける、ingシリーズの最新作。浮遊感や包まれ感のある圧倒的な座り心地に注目。

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Feature 02

心地よさは、細部に宿る

脈々と受け継がれる妥協しない設計の美学

量産品だとしても、できる限り手を尽くしたい。私たちの意識は細部にあります。時間も手間もかかるので効率がいいとはとても言えません。けれど、だからこそコクヨの品質の高さには自信があります。

カフェチェアーでは、立ち上がりやすいようにちょっとした座形状にこだわったり。会議テーブルでは、圧倒的な薄さと剛性感を兼ね備えたり。オフィスチェアーでは、座った瞬間の心地よさや人間に馴染む機構を考え尽くしました。角度の調節や色の出力など、マニアックすぎて簡単にはわかっていただけないないディテールの積み重ねが、すべての商品にあります。

人間のセンサーは驚くほど敏感。だから天板の裏など目に見えないところにもこだわります。心地よさは無意識の積み重ねだと考えているので、どこの部分も手を抜けません。葉脈まで見るように細やかにものづくりをすることが、お客様にとっての価値につながると信じています。コクヨは常に実験して、形にして、試して、感じて、また試作しての繰り返し。そうして信頼を積み上げていきます。

市場やニーズの分析を行う企画メンバー、デザイナー、エンジニアが、分業ではなく融合したチーム体制を組んでいるのも特徴です。それぞれがお互いを刺激するようにタッグを組んでいます。マーケットありきだけではなく、デザインが先に走ることやエンジニアリングが先行することもあるからこそ、おもしろい。関わるからにはいいものをつくりたいとみんなが思っています。「細部まで手を抜かない」という価値観は、コクヨ社員のなかで、無意識のうちに受け継がれているのだと思います。