すべての人のスタイルそれぞれの提案を。

目指す未来と覚悟

人が100人いるのであれば、そのスタイルも100通りあるはず。最先端の技術を取り入れ、国ごとの特性に応じたさまざまなアプローチで、一人ひとりのスタイルに寄り添った提案を行なっていきます。

Feature 01

デジファブ技術が、実験的ものづくりを加速させる

ユーザーの声をすぐにプロトタイプに落とし込める

2022年には品川オフィス・THE CAMPUS内にデジタルファブリケーション技術活用のための工房「(0,0,0)studio genten(スタジオゲンテン)」をオープン。着目しているのがデジタルファブリケーション(デジファブ)技術です。デジタル木材加工機や様々な工具を導入し、アイデアをすぐにカタチにできる環境を構築。例えば、大きなサイズのものを実寸大で見たい場合でも、20分程度でカットして組み立てて検証できるなど、コストのかかる金型を必要とせずに、オンリーワンなものづくりが可能です。

デザインや制作の敷居を低くすることで、ワークショップを通してユーザーの声を反映させやすかったり、デザイナーではない社員のアイデアを取り込めたり。顧客やパートナーと一緒に、新しい何かを生み出していくことを目指しています。木材を活用したデジファブ技術で、「プロトタイピング」というカルチャーを社内に浸透させられたら。ますますものづくりが楽しくなりそうです。

実は、今までコクヨは木材をあまり取り扱ってきませんでした。コクヨのオフィス家具領域はスチールキャビネットから始まっているので板金が得意です。それに、一般的にもオフィス家具は耐久性が求められるので、スチール製品が主流になるわけです。デジファブ技術を用いることで、木に慣れ親しみ、木を使ったユニークピースを作ることができれば、新しいコクヨが生まれる予感がしています。

現在、国産木材の積極的な活用を模索中です。木がもたらす愛着や温かみ、味のような手づくりの感覚が、オフィス家具づくりにおいても刺激となっています。家具そのもののオフィスとホームの境目も、なくなっていくのかもしれません。

Feature 02

家具を超える提案力で、アジア・ASEAN市場へ挑む

コクヨ家具のナレッジを活かし、グローバルへ挑戦

コクヨは、香港のオフィス家具メーカー「Lamex」を2022年に買収。アジア・ASEAN進出に全社をあげて取り組んでいます。日本市場と海外市場の大きな違いは、そのビジネスモデル。アジアの多くの国では設計事務所が空間や働き方の提案を担うのが一般的で、メーカーは家具のみお渡しする文化が根強くあります。

また、事業構造も異なります。日本におけるコクヨのシェアは20%前後あるのに対し、中国では強いメーカーでもシェアが2〜3%。そのような厳しい状況のなかで、どのようにブランドを拡大していくかが大きな課題です。私たちの家具の真価をきちんと推奨していただけるパートナーを「キーインフルエンサー」と呼び、彼らを通して間接的に顧客へとアプローチする戦略をとっています。

海外に進出する日系企業、代理店チャネル、設計事務所、直販。これらのお客様に対しては、単なるパッケージ商材ではなく、「働き方」に紐づく家具提案を行なっています。「どのような活動をしたいのか」「どのようなチームワークを育みたいか」がセットアップされた家具の組み合わせを提案することで、「働き方をデザインする会社」であるということをアピールしていきたいと考えています。

コクヨが日本の「ライブオフィス&ショールーム」で行っているやり方を踏襲し、社員が実際に働く姿を見たり、家具が実現するアクティビティ、チームワークを体感していただく。時代とともに変わる働き方を見越し、設計事務所にとっても頼れるパートナーとなることを目指しています。