共感しながらアイデアを発想し続けてきた。

成り立ちを紐解く

1905年、帳簿の表紙からはじまり、帳簿、野帳、キャンパスノートと、紙製品にこだわりをもってものづくりをしてきました。そこには、文具領域ならではのアイデアを形にする共通のアプローチと、デザインやものづくりにおけるユニークな視点がありました。

Feature 01

共感と発想力が生む、「ちょっと気の利いた」文具

指針となるのは、「買う身になってつくる」ということ

文具事業の根幹にあるのは、共感力と発想力です。創業からのものづくりの精神として「買う身になってつくりましょう」という言葉があります。小学生だったとき、中学生だったとき、就職活動したとき、そして働く今も。文房具は私たちの人生のあらゆるシーンに密接に関わってきました。

商品を企画・開発する立場であったとしても、私たち自身がユーザーであることを忘れてはいけないと思うのです。どちらにしようか悩んだときには、利便性はもちろんですが、必ず「どうだったらうれしいか」「どうだったらちょっと残念になるか」という視点で考える。それこそがユーザーの立場で考えるという原点に繋がります。もしかすると、コクヨの文具は「気の利いた部分」があるのかも。それが「わかる、わかる」といった共感をいただけているポイントにつながっているのだと思います。

ユーザー視点の獲得のために、フィールドリサーチは欠かせません。学生のノートの使い方・持ち物の観察をずっとしています。例えば、ノートを開いたとき、書き始める前にノートの真ん中のふくらみをギュッと押さえなくてはならないというストレスに共感。それが「フラットが気持ちいいノート」開発の起点になっています。そこから、糊の種類や作り方のトライアンドエラーと工夫を何度も繰り返し、こだわり抜いたフラットの気持ちよさを「フラット製本」として実現することができました。

自然にユーザーであり続けること。共感から発想に繋げていくこと。生活者感覚と技術・企画の融合をしていくこと。それがコクヨの文具の哲学です。

Feature 02

コクヨのシンボル、キャンパスノートから見る成り立ち

変わらないために変わり続ける、進化する定番ノート

斬新な無線とじの技術を使い、1975年に発売した初代キャンパスノート。コクヨの祖業が帳簿の表紙ですから、こだわりの塊です。そこから表紙を改良し、ロゴも作成し、機能をデザインに落とし込み、色使いも一新。時代の低価格化が進むなかでも、より付加価値の高いノートを目指し、徹底的に材料を研究。最後までノートを使っても破れにくい背クロスの強度を実現し、中紙だって75g/㎡から70g/㎡に軽くしました。

裏移りせずに、裏から透けずに、いろんな筆記具に対して滑らかに書ける高品質な紙へ進化させたのが、現在の5代目キャンパスノート。年間約1億冊以上、長く長く愛されているブランドですから、ユーザーの満足を絶対に裏切ってはいけません。「変える必要があるのか?」ともよく言われます。しかし学生さんへの声を聞きながら、取り入れながら、時代に合わせて改善点を探してしまうのがコクヨ。アップデートをまた考えています。

キャンパスノートの価値要素は、とじ方、材料・品質、罫線、サイズ、デザイン、価格の6つ。そのすべてのカテゴリーを一から見直しています。自信作を生み出してきた先人のつくり手たちに敬意を払いながら、使い手を一番リスペクトするのがコクヨです。親しみをくれるか、前向きなポジティブな力をくれるか。大切なものを未来へ引き継ぎながら、進化を止めない。だからこそ古くならない。是非、その違いをみなさんに気づいていただきたいです。