デジタル人材が、
次の体験づくりを
Bサプライ事業戦略室金剛寺 憲吾

デジタルスキルをもっと身近に
学びと実践、 両軸からアプローチ


KDA(コクヨデジタルアカデミー)は、2023年6月に、社内でデータやテクノロジーを活用できる社員を増やすことを目的に開校しました。「学び」と「実践」を意識したプログラムで構成されています。
まず「学び」として、AI、IT、データ活用に関する講座を約3ヶ月のサイクルで実施し、受講者の方には実際に手を動かしながら知識を習得していただきます。
そして、その学びをスキルとして定着させる「実践」としてGPT-Lab(GenAI-Lab)などの取り組みがあります。ここでは、幅広い年代の社員が参加し、AIなどを活用してプロトタイプを作成することで現場実装を目指しています。私の役割は主に運営で、講座のカリキュラム検討や、GPT-Lab(GenAI-Lab)において伴走支援を行っています。
非エンジニア でも学びやすい環境づくり


KDAでは、非エンジニアの社員がAIやデータ活用をスムーズに学べるよう工夫を凝らしています。例えば、AI講座は「文系AI塾」と名付けることで、参加への心理的なハードルを下げました。データ活用に関する講座では、東京大学の西成教授に「渋滞学」について講演していただき、日常生活や物流といった業務に結びつく具体例を挙げることで、データ活用の重要性を分かりやすく伝えました。
目指すのは、現場部門で自律的に課題に気づき、解決策を導き出せる人材を育成することです。その根底には、テクノロジーはあくまで手段であり、目的ではないという考え方があります。そのため、KDAも社会やテクノロジーの変化に合わせて変化し、最適な学びを提供していきます。
自律自走できるデジタル人材が 価値を生む


この取り組みでは、執行役員がKDAの学長・副学長を務めるなど、経営層自身のコミットが後押しもあり、テクノロジー活用を推進する風土が醸成されつつあります。具体的には、コクヨグループ全体のデジタルリテラシーの向上や、現場起点での業務改善といった形で着実に実を結び始めています。今後は、お客様への価値創造に繋がる成功事例を増やしていきたいと考えています。
個人的な想いとしても、KDAを通じて社内のリテラシーとスキルを高めつつ、例えばデータ分析基盤の利用といった現場での活用も促進していきたいです。その積み重ねこそが、変化に強く、社員一人一人が主体的に価値創造を実現できる組織づくりに繋がると考えています。