「好奇心」をテーマに、コクヨが贈る3つの映画。10月2日全世界解禁

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12歳。その小さな好奇心は、どこまでつづいているのだろう。
岩井俊二監督作品世界地図
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好奇心が紡ぐのは、虚構か、現実か。
監督デレク・ツァンAs Written
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好奇心が突き動かされた先にあるものとは。
脚本・監督シュチ・タラティHidden Sun

好奇心を人生にKOKUYO

人生に必要なものはいくつもあるけれど、
人生を豊かにするために必要なものは、
好奇心だとコクヨは考えます。

そんな想いから生まれたのが、
「The Curiosity Films」。
「好奇心を人生に」というメッセージのもと、
国も文化も異なる3人の映画監督が、 それぞれ異なる国の街を舞台に、
“好奇心”をテーマに物語を紡ぎました。
監督は、岩井俊二さん、デレク・ツァンさん、
シュチ・タラティさんです。

他者を知ろうとする気持ち。
未知との出会いに揺れる心。
思いがけず何かが始まる、その小さな兆し。

それらはすべて、好奇心から生まれます。
世界の3つの街で描かれた、3つの物語を、
どうぞ、覗いてみてください。

The
Curiosity
Films

OFFICIAL TRAILER

本予告

世界地図

岩井俊二監督作品

ワン・ペイシー マ・イルイ リー・モン

INTRODUCTION

ある日、クラスメートの藍夏(ランシャ)が
海⻛(ハイフン)の家に泊まることになる。
理由もよくわからないまま始まった、
ふたりのぎこちない時間。
世界地図のパズルと、
ささやかな言葉をきっかけに、
少しずつ気持ちが近づいていく。
翌朝、藍夏が何も告げずに
家を出ていたことに気づき、
海⻛はその行き先を追いかける――。

ほんのひととき、
世界がふたりだけのものだった夏の記憶。

世界地図

世界地図 岩井俊二監督作品

DIRECTOR

岩井俊二

Shunji Iwai

COMMENT

今年で映画監督としてのキャリアがちょうど30年を迎えました。そこから原点に立ち返って「好奇心」というテーマに向き合ってみたいと思ったのが、この作品の出発点です。過去に書き溜めた20代の作品群を改めて掘り起こし、映像化できないかと模索する中で、今回の物語が浮かび上がってきました。かつて書いた『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の“前日譚”にあたるようなエピソードを再構成し、舞台を中国に、登場人物も中国の少年少女に置き換えて新たに描いています。自分自身の「好奇心」を見つめ直すと同時に、観る方の心にも、小さな好奇心の火種が灯るような作品になっていれば嬉しく思います。

PROFILE

1995年、『Love Letter』で長編映画監督デビュー。代表作は『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス殺人事件』『ラストレター』『キリエのうた』等。2012年、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」の作詞を手がける。2025年4月、公開30周年を記念して『Love Letter [4Kリマスター]』が劇場公開。国内外を問わず、多彩なジャンルでボーダーレスに活動し続けている。

CAST

プロデューサー:水野昌、田井えみ
プロダクションマネージャー:胡顺乐
助監督:内田知樹
撮影監督:神戸千木  美術:杨富贵
衣装:黄斯辰  音楽:岩井俊二
原作:岩井俊二
「少年たちは花火を横から見たかった」
(KADOKAWA/角川文庫)  「檸檬哀歌」
制作プロダクション:K2 Pictures /
ロックウェルアイズ

プロデューサー:水野昌、田井えみ  プロダクションマネージャー:胡顺乐  助監督:内田知樹
撮影監督:神戸千木  美術:杨富贵  衣装:黄斯辰  音楽:岩井俊二
原作:岩井俊二「少年たちは花火を横から見たかった」 (KADOKAWA/角川文庫)  「檸檬哀歌」
制作プロダクション:K2 Pictures / ロックウェルアイズ

As Written

監督 デレク・ツァン

プロデューサー ジョジョ・ホイ

INTRODUCTION

著名作家ブライアン・ジョンソンにとって、
最後の朗読会の舞台は、
思いがけず裁きの場と化す。
彼の前に現れた『訪問者たち』は、
どこか見覚えのある顔ぶれ、
それは彼の小説に登場する人物たちだった。
彼らが投げかけた一言、
「あなたは本当に、
私たちと向き合ってきたのですか?」
その問いは、心の奥底に封じ込めていた記憶と
後悔を一気に呼び起こし、ジョンソンの中に
眠っていた何かを揺り動かす。
この不穏な邂逅が、
彼に作家としての本質を問い直させる。
創作とは何か。物語は誰のものなのか。
そして、『書く』という行為の
本当の意味とは?

As Written

As Written 監督デレク・ツァン

DIRECTOR

デレク・ツァン

Derek Tsang

COMMENT

この物語は、作家が自らの創作したキャラクターと向き合うことで、過去の自分や創作への姿勢を見つめ直していく、というものです。作家や映画監督にとって、若い頃に書いた作品と再会することは、自分の未熟さや迷いを改めて感じる機会にもなります。けれどそれは同時に、自分がなぜこの道を選んだのかという原点と向き合うきっかけにもなるはずです。そして、どんな創作においても大切なのは「好奇心」だと思います。他者や世界、そして自分自身に対して関心を持ち続けること。それこそが、クリエイティブであり続ける原動力なのだと感じています。この作品を通じて、そんなことを改めて感じてもらえたら嬉しいです。

PROFILE

香港出身の映画監督、脚本家、俳優。監督作品第2弾である『少年の君』(2019)は第39回香港アカデミー賞(香港電影金像奨)で最優秀作品賞、最優秀監督賞など8冠を達成。第93回アカデミー賞では国際長編映画賞へもノミネートされた。ツァンの単独監督デビュー作『ソウルメイト/七月と安生』(2016)は批評家から高く評価され、2017年香港電影導演会(Hong Kong Film Directors’ Guild)で最優秀監督賞、第53回金馬奨では主演を務めた女優2人が主演女優賞をダブル受賞した。最近手掛けた監督作品にNetflixの最新大ヒット作であるSF大作『三体』の第1話・第2話がある。

CAST

プロデューサー:ジョジョ・ホイ
脚本家:エンゾ・ホイ、ツィーヤン・チェン
デーウェイ・コン、ベンソン・ン
撮影監督:タム・ワイカイ
プロダクションデザイナー:チョン・シウホン
制作プロダクション:K2 Pictures / Goodfellas
Pictures Limited

プロデューサー:ジョジョ・ホイ
脚本家:エンゾ・ホイ、ツィーヤン・チェン、デーウェイ・コン、ベンソン・ン
撮影監督:タム・ワイカイ プロダクションデザイナー:チョン・シウホン
制作プロダクション:K2 Pictures / Goodfellas Pictures Limited

Hidden Sun

脚本・監督 シュチ・タラティ

北村一輝 サミヤ・ムンタズ  /  原田美枝子

INTRODUCTION

日本を訪れた哲学者のスシラと宇宙物理学者の
夫ケンジは、舞踊家・マコの
引退公演を観ることになる。
その舞台は、ふたりの間に沈殿していた緊張や
沈黙を、静かに、しかし確かに揺さぶった。

舞台を終えたマコと再会したケンジは
彼女と特別な時間を過ごし、
言葉にできない想いが呼び覚まされる。
そしてスシラもまた、マコとの交流を通じて、
自分自身の奥底にある感情と
向き合っていくのだった。

胸の奥から目覚めた痛みは、
やがて身体を通して、
静かに解き放たれていく。

Hidden Sun

Hidden Sun 脚本・監督 シュチ・タラティ

DIRECTOR

シュチ・タラティ

Shuchi Talati

COMMENT

「好奇心」とは何かという問いに向き合ったとき、私にとって最も近い言葉は「生命力」でした。何かを知りたい、やってみたい、そして「生きている」と感じたいという衝動。それこそが、人を突き動かす力だと思います。本作では、長年連れ添うなかで互いへの関心を失った夫婦と、人生の転機に立つ舞踊家という3人の視点を通して、「好奇心」のかたちを描いています。言葉にならない感情や痛みが、身体の動きや表現を通して解き放たれていくとき、私たちは「知の世界」で見落としがちな、本来の自由や表現に出会えるのではないかと。心を開いて、好奇心を持って、この作品を受け取ってください。

PROFILE

インド出身の映画監督・脚本家。アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)で映画演出のMFAを取得し、Women In Film奨学金を受賞。短編『Mae and Ash』ではオープンリレーションシップの緊張感を描き、多数の賞を受賞しVimeoスタッフピックに選出された。月経中のセックスを題材にした短編『A Period Piece』はSXSWで上映され、話題を呼んだ。
初の長編映画『Girls Will Be Girls』は、インドの保守的な全寮制学校を舞台にした思春期と性の目覚めを描く物語で、2024年のサンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマ部門でプレミア上映され、観客賞を受賞。さらに、2025年のインディペンデント・スピリット賞では、ジョン・カサヴェテス賞を受賞している。

CAST

プロデューサー:三宅はるえ 山口晋 森川雄介
原案:モノナ・ワリィ
編集・共同監督:ケント・バセット
撮影:ダニエル・サティノフ
美術:野畑太陽 衣装:デミデム ヘアメイク:マリ
振付:森田志保 音楽:北岸麻生 助監督:伊野瀬優
制作プロダクション:K2 Pictures / knockonwood

プロデューサー:三宅はるえ 山口晋 森川雄介 原案:モノナ・ワリィ
編集・共同監督:ケント・バセット 撮影:ダニエル・サティノフ
美術:野畑太陽 衣装:デミデム ヘアメイク:マリ
振付:森田志保 音楽:北岸麻生 助監督:伊野瀬優
制作プロダクション:K2 Pictures / knockonwood

世界地図

ワン・ペイシー

(ハイフン) 役

COMMENT

世界地図のパズルを完成させたとき、ただの遊びじゃなく、世界の広さや不思議さに触れた気がしました。単なるパズルのように見えるけど、とても雄大なものに思えました。好奇心がテーマの映画ですけど、出演して感じたのは、自分の気持ちはちゃんと伝えたほうがいいということ。僕も、思ったことをうまく言えなかったことで家族と距離ができたことがあります。だからこそ、この作品を観た人が、誰かと素直に向き合うきっかけになったら嬉しいです。あと、日本人のスタッフの方々との撮影は楽しかったし、もっとコミュニケーションが取れるように、日本語を勉強したいと思います。

PROFILE

中国本土の俳優。2014年、中国・天津生まれ。現在、天津南開大学付属校に在学中。
チェン・カイコー監督の映画『長津湖』『志願軍』に出演経験がある。
また、複数の短編・長編作品が北京国際映画祭にノミネートされている。
主演映画には『タンポポの約束』『落地生花』『投行風雲』などがある。
ドラマ作品では『野犬の骨』『真心英雄』『長風起』『長相思』『長風渡』などに出演。
さらに、湖南衛星テレビの大型バラエティ番組『密室大脱出』にも出演している。

世界地図

マ・イルイ

藍夏(ランシャ) 役

COMMENT

お母さんとの関係がうまくいっていない女の子の役を演じましたが、彼女はクラスメイトの海風自身や彼がどんな遊びをしているかに興味を持っていて、そうしたシーンではイキイキとしています。彼の家に行った時、藍夏(ランシャ)はちょっと嬉しそうに家の中を観察するんです。それは2人の関係性の中で生まれる好奇心で、生活の中の好奇心だと感じました。物語の中で、多くが説明されることがないので、正直脚本を初めて読んだ時は戸惑いましたが、一つ一つの出来事を解きほぐしながら演じました。私たちが一緒に作ったこの作品を、たくさんの方に楽しんでもらえたら嬉しいです。

PROFILE

中国本土の若手女優。4歳から演技を始め、十年以上のキャリアを持つ。6歳で映画『ミーレの完璧な夏』に主演し、その後『長津湖』『世界で一番ママがいい』『マオ・フーフーの誘拐』『呼吸』『平妖伝』などに出演。
ドラマ作品では『ユンシャン伝』『長相思』『駐站』『二人の世界』『幸福二重奏』『安楽伝』『白毛女』など多数の作品で優れた演技を見せ、監督から高い評価を受けている。

世界地図

リー・モン

藍夏(ランシャ)の母 役

COMMENT

元々、私自身が岩井監督のファンで、スクリーンで見てきた監督の作品の中に自分が登場人物として存在するというのは、どういう感覚なのかという好奇心を持ちながら撮影に臨みました。岩井監督は予想外の出来事、現場で生まれるものを大切にする、即興的な創作タイプの方で、それによって引き出されるキャラクターのナチュラルな内情があると思います。本作をご覧になる方には、それぞれの視点でこの映画を解釈していただきたいです。そして、「好奇心」というテーマについても、自分なりの解釈をしてもらえたら嬉しいです。そして、様々な方がどのように受け止めるのかを楽しみにしています。

PROFILE

李梦(リー・モン)
中国本土出身の女優。2013年に北京電影学院を卒業し、同年には賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の映画『天注定』に主演。90年代生まれの中国人女優として初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された。
その後も主演作が世界三大映画祭に4度ノミネートされ、『少年バビロン』『海上浮城(Dead Pigs)』『雪雲』『鸚鵡殺(Tainted Love)』『鴛鴦楼・驚魂』をはじめ、『隠秘的角落The Bad Kids)』『墨雨雲間(The Double)』など数多くの映画・ドラマにおける卓越した演技で、業界内外から高い評価を得ている。

世界地図

レックス・ストライプ

ブライアン・ジョンソン 役

COMMENT

ブライアンは一見成功した作家ですが、実際には良い作品ではなく、売れる作品しか書いていませんでした。そして今では書くことすらできなくなっていて、完全に行き詰まっています。自信満々に見えても、内心では不安でいっぱいなのです。成功を追い求めることに忙しすぎて、失われていったことがたくさんあります。例えば、昔から料理や食べ物への興味があったのに、それを創作に生かそうとはしなかったとか。つまり好奇心を失っていたわけですよね。彼は自分自身を再発見しなければなりません。この物語は、彼が「好奇心」を再び見つけ、受け入れる旅でもあります。

PROFILE

ロサンゼルスを拠点に活動する俳優、脚本家、監督、プロデューサー。彼が携わった作品は世界各地で上映され、高い評価を受け、受賞歴もある。サラ・ローレンス大学の名誉教授を務め、2007年から2020年まで同大学の映画制作・映像芸術プログラムを統括した。見事なまでの創造的ビジョンから紡ぎ出されるデレク・ツァン作品『As Written』のチームの一員になれたことを誇りに思っている。

世界地図

パトリック・アーター

司会者 役

PROFILE

ロサンゼルスを拠点に活動する映画・舞台俳優。ヒストリーチャンネルの『ダーク・マーベルズ』でH・H・ホームズを演じたことで一躍有名になる。『Eenie Meenie Miney Mo(イーニー・ミーニー・マイニー・モー)』や『カイルと関わるな』など、数々の受賞歴を持つ映画祭短編作品に主演している。映像作品以外では、劇団「The Back Room Shakespeare Project」でシェイクスピア作品を演じている。

世界地図

ヒメナ・ウリベ

マリア 役

PROFILE

アメリカ在住のグアテマラ人女優。アメリカンミュージカル&ドラマティックアカデミーで演技を専攻。最近ではフィーチャー映画『The Itch』で助演を務め、Dances with Films映画祭で初上映された。また、第6回Fest Theatre Festivalでは舞台『The Assembly』の主演も務めた。

世界地図

チャーリー・タルバート

肉屋のトニー 役

PROFILE

1995年の映画『どんな時も』でブレイクしたアメリカ人俳優。『マネー・ショート 華麗なる大逆転』、『ウォッチメン』、『リサ・フランケンシュタイン』、『ザリガニの鳴くところ』などに出演。次回作『Killing Faith』ではコットン役、そしてマイク・フラナガン制作総指揮、クリス・スタックマンが監督、配給はNEONが務める待望の新作ホラー『Shelby Oaks』にウィルソン・マイルズ役で出演予定。タルバートは、コメディからドラマまで、あらゆる役柄に心と真実味のある演技で人々を魅了している。

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ジョセフ・ガット

ドクターモロゾフ 役

PROFILE

英国出身の俳優。マルタからの移民の両親のもとに生まれ、現在は米国在住。映画、テレビ、ビデオゲーム、舞台と幅広い分野で活躍している。代表作は『スター・トレック』、『ゲーム・オブ・ソローンズ』、『Banshee/バンシー』、ティム・バートン監督の実写映画『ダンボ』など。また、米人気ゲームシリーズ『ゴッド・オブ・ウォー』ではクレイトス役を、『エルダー・スクロールズ』シリーズや『Star Wars:The Old Republic』では主役を務めた。オーランド映画祭にて『The Retaliators』で最優秀男優賞を受賞。

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バレット・ルイス

ホワイト・ヴィクター・ワトソン 役

PROFILE

俳優、ミュージシャン。最近ではラスキン劇場で上演された『The Substance of Fire』で主役のマーティン役を演じ、マーシャ・クロスやロブ・モローと共演を果たした。この他、IZOD(コリン・ジョストと共演)やNestea(ナターシャ・ベディングフィールドと共演)のCMにも出演。また、インディペンデント映画での主演も務めている。

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マトレル・スミス

ブラック・ヴィクター・ワトソン 役

PROFILE

人気急上昇中のアメリカ人若手俳優。Netflix向けにデンゼル・ワシントンが製作、マルコム・ワシントンが監督を務めた『ピアノ・レッスン』に出演した。近く『All the Queen’s Men』へのゲスト出演を予定している。バスケットボールの花形選手からストーリーテラーに転身したスミスは、あらゆる役柄に本物らしさ、多様性、そしてスクリーン上での存在感という強力な要素を融合させている。

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北村一輝

ケンジ 役

COMMENT

ケンジという人物は、言葉の壁によって相手との関係性や自分自身の在り方が揺らぐ存在です。海外にいたネイティブの妻に比べ自分は言葉も通じず、まるで多面体の一部しか見せられないような不自由さを持っていました。ところが今、日本に戻ってきたことで立場が逆転し、新たな面が見えるようになります。彼自身の中に眠っていた違和感や、相手を理解したいという気持ちが複雑に交差する中で、彼は何を感じ、どう変わっていくのか。そのプロセスこそが、この作品の面白さだと思います。ケンジに芽生える“好奇心”とは、相手を探るためのものというより、自分自身という多面体のまだ見ぬ面に対しての興味にも思えます。

PROFILE

1969年大阪府生まれ。99年の『皆月』と『日本黒社会 LEY LINES』でキネマ旬報新人男優賞をはじめとした数々の賞に輝く。以降、『ガリレオ』シリーズ、『沈黙のパレード』(22)、『カラオケ行こ!』(24)、配信ドラマ『地面師たち』(24)など、話題作で幅広く活躍。『王様と私』ではミュージカル初主演を務め、存在感を放った。2026年前期NHK朝ドラ『風、薫る』に父親役で出演予定。

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原田美枝子

マコ 役

COMMENT

マコは、情熱を注いできたフラメンコとどう向き合っていくか考えた末に、ダンサーとしてのキャリアを閉じようとしています。表現することに疲れ、心も閉じかけている。彼女はダンスにおいて強い好奇心を持ち続けてきた人物だと思いますが、今は踊った先に見えるものに希望を持てなくなっているんです。そんな中でのケンジとスシラとの出会いが、彼女の抱える孤独や痛みにも変化を及ぼし、何かしらの好奇心がまた芽生え始める。好奇心がテーマの映画で、この年代が描かれることは日本ではかなり少ないと思いますし、こうした作品に出演できたことが嬉しいです。

PROFILE

東京都生まれ。1974年『恋は緑の風の中』で女優デビューし、76年『大地の子守歌』『青春の殺人者』でキネマ旬報主演女優賞など複数受賞。98年『愛を乞うひと』では日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを獲得。黒澤明監督『乱』をはじめ映画、テレビ、舞台で幅広く活躍。2020年には認知症になった自身の母を描いた短編ドキュメンタリー映画『女優 原田ヒサ子』で制作、撮影、編集、監督を務めた。近年の出演作に『百花』(川村元気監督)など。

世界地図

サミヤ・ムンタズ

スシラ 役

COMMENT

スシラはとても内向的で、感情を内に秘めています。外見上は冷静で、すべてをコントロールしているように見せていますが、嫉妬や不安といった感情が渦巻いていて、それを「自信がある」という仮面で覆っているのです。多くの不安や恐れを抱えながらも、それを隠して「すべてうまくいってる」と外の世界に見せるのは、彼女だけではないでしょう。それがケンジとの関係にぎこちなさを生んでいますが、相手を知ろうとする人ですし、スシラは好奇心に満ちています。自分自身に正直になること、そして他者とももっと感情的に正直に向き合うこと、それをこの作品から感じ取ってもらえたらと思います。

PROFILE

1970年カラチ生まれ。舞台俳優としてスタート、1995年にPTVドラマ「Zard Dopehar」でテレビデビューを果たす。「Meri Zaat Zarra-e-Benishan」、「Sadqay Tumhare」、「Udaari」、「Maaye Ni」など数々の名作で存在感を確立。「Sadqay Tumhare」では、HUM Awards、助演女優賞を受賞。
主演長編『娘よ』(2014)は日本でも公開され、翌年のLux Style Awardsにて最優秀映画女優賞にノミネートされた。最近では、TVシリーズ「Jindo」など話題作に出演している。