誰もが持ちやすく
開けやすい
ペットボトルを
実現
ペットボトルを「開けにくい」と感じたことは
ありませんか?手の大きさや力の強さは人それぞれ。
「誰もが持ちやすく開けやすい」ミネラルウォーターをご紹介します。
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INDEX
意外と多い「ペットボトルが開けにくい」悩み
ペットボトルを開ける時、あなたはどこを持ちますか?ボトルの側面、上部、それとも底部?実は、この何気ない動作に多くの人が困りごとを抱えています。
カウネットでは、インクルーシブデザインを推進する中で、「飲料」の商品企画においてはペットボトルの形状が最も課題であると認識していました。手の大きさや力の強さの違いなどによって「開けにくい」と感じる人が少なくないからです。
しかし、ペットボトルの構造的な制約の中で、キャップの形状に関する大幅な変更は困難でした。そこで注目したのが「ボトル本体の形状を変える」というアプローチです。「持ちやすく力をかけやすい」ボトルの形にすることが「キャップの開けやすさ」にも繋がるのではないかと考えたのです。
この発想から、嬬恋銘水株式会社様と協力し、多くのリードユーザーのさまざまな開け方を参考に、新たなペットボトルの開発プロジェクトが始まりました。目指したのは、手の大きさや力の強さの違いに関わらず、どんな方でも持ちやすく開けやすいボトル形状の実現でした。
7回のヒアリングで見えた十人十色の開け方
開発チームでは、上肢障がいの方や手の小さい方などのリードユーザーへのヒアリングを計7回にわたって実施しました。その度に新しい試作品を3Dプリンターで作成し、実際に手に取ってもらいながら検証を重ねたのです。このプロセスで明らかになったのは、ペットボトルを開ける際の持ち方が個人によって大きく異なるということでした。
例えば片手が動きづらい上肢障がいの方は、ボトルの上部を掌で押さえながら片手でキャップを回したり、動かない方の手首で底を押さえながら開けたりするなどのパターンがあることが分かりました。また、手の小さい方は、力をかけやすくするために親指を巻き込んでキャップを握ったり、掌で包み込んで開けたりすることも分かりました。
そして、これらすべてのパターンに共通する課題として「とにかくボトルが柔らかいと開けにくい」ことが浮かび上がり、開けようとして力を入れると、キャップが開いたときに勢いで水があふれてしまう場面もありました。これは、特に上肢障がいの方や手の小さい方は、キャップが開けづらいと感じるとつい力を入れすぎてしまい、ボトルを握る手に必要以上に力が入ってしまうのではないか、という仮説が生まれました。
誰もが使いやすいデザインを目指して
最終的に採用されたボトルデザインには、以下の工夫が施されています。
・硬さと強度の向上
「ペットボトルが柔らかいと力が入れづらい」という意見に対応し、ペットボトルの円周と上側面に溝を入れることで強度を向上させました。この形状の工夫によってボトルを握った時に硬さを感じることができるようにしました。
・持ちやすい形状
「ボトル本体が太いと指がかからず力が入れづらい」という意見を反映し、胴部分にはくびれを付け、ななめウェーブで指をかけるきっかけを作りました。また、ボトル本体の安定感と持ちやすさのバランスを考慮し最適な高さとくびれを設計しました。
・細部への配慮
当初は持ちやすさを意識して細かい溝を入れた試作品も検討しましたが、実際に手に取ってみると「溝が多すぎて握った時に手が痛い」という意見が出ました。最終的には、手にあたるような溝は入れすぎず、かつボトルの強度を保つというバランスを意識し、ボトル側面にカーブした斜めのラインを何筋も縦に入れる構造に調整しました。
「誰にとっても使いやすいデザイン」を目指す「HOWS
DESIGN」のプロセスから生まれたこのミネラルウォーターは、多様な人々の声を形にした集大成といえるのではないかと考えています。手の大きさや力の強さの違いに関わらず、誰もが快適に使える商品として、私たちの日常に小さな変化をもたらしてくれることを期待しています。
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