好奇心をテーマに、
コクヨが贈る
3つの映画
コクヨは創業120周年を迎えリブランディングを図り、初の短編映画の制作に挑戦しました。映画製作に至った背景や狙い、作品の見どころを紹介します。
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INDEX
コクヨが映画をつくった理由
コクヨは10月2日に創業120周年を迎え、これまでの企業イメージを刷新するリブランディングを進めています。ロゴやコーポレートアイデンティティのリニューアル、コーポレートメッセージの策定、WEBサイトのリニューアルなど、さまざまな施策を展開。そして今回、初めて短編映画の制作にも挑戦しました。
「なんでコクヨが映画を作ったの?」――そう思う方も多いでしょう。そのキーワードは「好奇心」。
今回のリブランディングで、コクヨは新しいコーポレートメッセージとして「好奇心を人生に」を掲げました。
「好奇心」は、自分の中から自然に生まれるものではなく、誰かや何かに触れたときに芽生える感情です。言葉だけでは伝わらず、体験を通して初めて心が動きます。
そこでコクヨは、映画という表現を選びました。映画は単なる情報伝達にとどまらず、映像や音を通じて感情や想像力を揺さぶります。さまざまな人の物語に触れることで、「もっと知りたい」という小さな衝動が芽生える――。そんな体験を届けたいという思いから生まれたのが、今回製作した3つの短編映画からなる「The Curiosity Films」です。
世界で活躍する3監督が異国の文化・舞台で撮影
(左から)岩井俊二監督、デレク・ツァン監督、シュチ・タラティ監督
「The Curiosity Films」の注目ポイントのひとつは、世界で活躍する監督たちが、それぞれ異なる国と文化を舞台に撮影を行ったことです。
今回協力いただいたのは、『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』など数多くの話題作を手掛け、国内外で高く評価される岩井俊二監督、香港出身でNetflix最新SF大作『三体(第1話・第2話)』を手掛けたデレク・ツァン監督、そしてインド出身で、2024年サンダンス映画祭ワールドシネマ・ドラマ部門プレミア上映・観客賞受賞、さらに2025年インディペンデント・スピリット賞ジョン・カサヴェテス賞を受賞したシュチ・タラティ監督の3人です。



3監督は普段の活動拠点とは異なる国で、それぞれシャッフル形式で撮影を行いました。
岩井監督は中国、デレク監督はアメリカ、シュチ監督は日本で、それぞれ現地のキャストやスタッフとともに撮影。国際色豊かなチームが一つとなり、各作品を生み出しました。
共通テーマ「好奇心」のもと、各監督の個性が色濃く表れ、多様な視点から物語が紡がれています。
3つの世界、3つの視点
「The Curiosity Films」を構成する3つの短編映画は、それぞれ独自の物語と魅力を持っています。テーマは同じ「好奇心」ですが、描かれる世界や登場人物、展開はまったく異なり、観るたびに新しい発見があります。

『世界地図』(岩井俊二監督作品)
<あらすじ>
ある日、クラスメートの藍夏(ランシャ)が海⻛(ハイフン)の家に泊まることになる。
理由もよくわからないまま始まった、ふたりのぎこちない時間。
世界地図のパズルと、ささやかな言葉をきっかけに、少しずつ気持ちが近づいていく。
翌朝、藍夏が何も告げずに家を出ていたことに気づき、
海⻛はその行き先を追いかける――。
ほんのひととき、世界がふたりだけのものだった夏の記憶。
(キャスト:ワン・ペイシー マ・イルイ リー・モン)
『As Written』(監督 デレク・ツァン)
<あらすじ>
著名作家ブライアン・ジョンソンにとって、最後の朗読会の舞台は、思いがけず裁きの場と化す。
彼の前に現れた『訪問者たち』は、どこか見覚えのある顔ぶれ、それは彼の小説に登場する人物たちだった。
彼らが投げかけた一言、
「あなたは本当に、私たちと向き合ってきたのですか?」
その問いは、心の奥底に封じ込めていた記憶と後悔を一気に呼び起こし、ジョンソンの中に眠っていた何かを揺り動かす。
この不穏な邂逅が、彼に作家としての本質を問い直させる。
創作とは何か。物語は誰のものなのか。そして、『書く』という行為の本当の意味とは?
(キャスト:レックス・ストライプ パトリック・アーター ヒメナ・ウリベ チャーリー・タルバート
ジョセフ・ガット バレット・ルイス マトレル・スミス)
『Hidden Sun』(脚本・監督 シュチ・タラティ)
<あらすじ>
日本を訪れた哲学者のスシラと宇宙物理学者の夫ケンジは、舞踊家・マコの引退公演を観ることになる。
その舞台は、ふたりの間に沈殿していた緊張や沈黙を、静かに、しかし確かに揺さぶった。
舞台を終えたマコと再会したケンジは彼女と特別な時間を過ごし、
言葉にできない想いが呼び覚まされる。
そしてスシラもまた、マコとの交流を通じて、自分自身の奥底にある感情と向き合っていくのだった。
胸の奥から目覚めた痛みは、やがて身体を通して、静かに解き放たれていく。
(キャスト:北村一輝 サミヤ・ムンタズ / 原田美枝子)
画面の向こうの物語に触れることで、きっとあなた自身の好奇心も揺さぶられるはずです。どうぞ、3つの物語を体験してください。
「The Curiosity Films」の3作品や、監督・キャストのインタビューは以下サイトからご覧いただけます。
ぜひチェックしてみてください。
次回は、10月2日にコクヨ東京品川オフィス THE CAMPUSで行われた映画の記者発表会の様子をお届けします。お楽しみに!