孤独・孤立が進む時代に、「わたしたち」目線で幸せを捉え直す「We-Being Project」をコクヨが始動

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京都大学・内田 由紀子教授との共同研究をもとに、「あいだ」に宿るウェルビーイング「We-Being」を提唱

2026年09月03日

コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田 英邦)は、ウェルビーイングを個人の内面ではなく人と人、人と場との関係、すなわち「あいだ」に見出す、新たな幸福の指標「We-Being(ウィービーイング)」を提唱し、その社会実装に向けた「We-Being Project(ウィービーイング プロジェクト)」を始動します。専門家を招いた研究会、30人の実践者へのインタビューなど、社内外にひらかれた探求活動を展開します。今後は世界15カ国での調査や、We-Beingの視点にもとづく空間・家具づくりへと広げていきます。

写真:We-Bing

これまで、ウェルビーイング指標の多くは、自己成長や自己実現といった個人を単位とする欧米の価値観をもとにつくられてきました。この価値観は個人の人生を豊かにしてきた一方で、個人主義的な価値観が行き過ぎた結果、社会のなかでつながりの希薄化が進んでいます。内閣府の孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(*1)では、約4割が「孤独感がある」と回答し、コクヨと京都大学が2025年に行った9カ国調査でも、気軽に相談できる同僚の数は日本が平均2.0人と9かカ国中最少、「1人もいない」という回答も約20%に達するなど、日本の職場でも孤独や孤立が広がっていることが明らかになりました。

家族や地域、企業といった、個人と社会のあいだに位置する共同体が失われていくなかで、人々の拠り所をどのように形づくっていけばよいのでしょうか。職場においては、リモートワークやサテライトオフィスの登場により、働き方は柔軟になりました。その一方で、同じ場所に集い、時間や経験を共有する機会は減っています。一体感が薄れる、周囲に相談できる同僚がいないといった課題を抱える人は少なくありません。
そこでコクヨが目を向けたのが、個人の内面だけでなく、人や場との「あいだ」に宿る幸せです。「わたし(I)」だけでなく「わたしたち(We)」の目線で、幸せを捉え直すこと。そこに、職場の孤独・孤立といった、これまでの価値観では解けなかった課題を解くヒントがあると考えています。We-Being Projectは、この新しい幸せのかたちを、もうひとつの選択肢として社会に提案し、職場や教育空間、公共空間へ実装していく取り組みです。

We-Being Project公式サイト:https://we-being.net/

1. 「We-Being」とは
We-Beingは、Well-beingの「Well」を「We」に置き換えた言葉で、「『あいだ』に宿るウェルビーイング」という意味を込めています。「人や場への好奇心を通して調和し、その協調関係を支えに自律的に行動できる状態」と定義しており、次の3つの幸せで構成されます。

わかちあう幸せ:仲間の成長や達成をわがごとのように感じられる幸せ
なじむ幸せ:支え合う仲間や場があり、ここに居場所があると思える幸せ
ひとなみの幸せ:「私もやれてる」という安心感から、今の自分をやさしく肯定できる幸せ

コクヨは、めざす未来の社会像として「自律協働社会」を掲げています。一人ひとりが自分の意思で働き方や生き方を選び取りながら、他者とゆるやかに協力し合い、ともに価値を生み出していく。個人の自律と、協働的なつながりが両立する社会です。We-Beingは、その実現に向けた現在地を測り、実践につなげるための概念です。

URL https://www.youtube.com/watch?v=PJMieih5uD0
2. 主な活動内容

(1) 30VOICES(サーティー ヴォイシズ) 〜これからの幸せの、てがかり〜

研究者や実業家、文化人、など多彩な30人に、それぞれが考える幸せのかたちやWe-Beingを叶えるためのキーワードを聞きました。記事・動画として順次公開します。
第一弾公開は、オードリー・タン氏(台湾の初代デジタル担当大臣 / サイバー無任所大使)、ドミニク・チェン氏(早稲田大学 文学学術院 教授)、永井 玲衣氏(作家 / 対話実践者)、フーウェイ氏(大学院生 / 柔道選手)、野崎 瓦氏(株式会社スマイルズ代表取締役社長 兼 CCO)、カーステン・ブラウン氏(ワークプレイス・ウェルビーイング研究者)、安斎 勇樹氏(株式会社MIMIGURI代表取締役Co-CEO)、三宅 香帆氏(文芸評論家)、丸山 ゴンザレス氏(ジャーナリスト / 編集者)、上坂 あゆ美氏(歌人 / エッセイスト)、近藤 博子氏(「気まぐれ八百屋だんだん」店主 / 一般社団法人「ともしびatだんだん」代表)です。

写真:30 VOICES

(2)We-Being Dialogue(ウィービーイング ダイアログ)

分野横断的な専門家や実務家との対話を通じて、We-Beingを実践するアプローチを探る研究会。2026年は4つのテーマで鼎談を実施し、レポート記事や音声コンテンツを順次公開します。 We-Being Dialogueの第1回目では、安斎 勇樹氏(株式会社MIMIGURI代表取締役 Co-CEO)、馬場 正尊氏(株式会社オープン・エー代表取締役 / 建築家 / 東北芸術工科大学教授)、柳澤 田実氏(哲学者 / 関西学院大学神学部准教授)をゲストに迎えました。

2026年のテーマは以下の4つを予定しています。
1.職場に「私たち」という感覚をどう立ち上げるか?──オフィスにおける記憶・思い出・組織アイデンティティから探る
2.働く上で「仲間」って何だろう? これからの“助け合える”チームのあり方を考える
3.「幸せに働く」を支える、都市・地域のあり方を探る
4.「AIエージェント・ロボティクス時代における、新しい職場づくり

各ダイアローグに出演するゲストを招いた振り返りコンテンツも、ポッドキャスト番組「「わたしたち」から働く幸せを考える〜We-Being Radio〜」 にて音声コンテンツとして配信します。

写真:We-Being Dialogue

(3)自律協働型AI「We-chan(ウィー チャン)」

プロジェクトに並走する自律協働型AIエージェント。We-Beingを構成する3つの価値観(わかちあう幸せ、なじむ幸せ、ひとなみの幸せ)が内部に共存し、自律協働的な思考を行います。
知識を噛み砕いて解説し、日常の場面に例えながら、We-Beingをより自分ごととして理解するサポートを行います。プロジェクトのリサーチ結果を学習し、We-Beingの社会実装に向けて成長していきます。公式サイトで対話可能です。

写真:自律協働型AI「We-chan(ウィー チャン)」

(4)事例リサーチ

We-Beingな要素を含む国内外の場・空間の調査や分析を行い、実践に向けたヒントをレポート記事としてまとめていきます。

(5)今後の展開

世界15カ国を対象にしたWe-Beingに関するグローバル調査や、We-Beingを体験できるイベントの開催など様々なリサーチおよび活動を予定しています。詳細は今秋、あらためてお知らせします。
※イベントは招待制での開催となります。詳細は弊社担当営業までお問い合せください

3. プロジェクトリーダーからのメッセージ
【田中 康寛 (コクヨ株式会社 / ヨコク研究所)】
個人の成功や幸せを追い求めるだけでは、取りこぼしてしまう豊かさがあります。調査と対話を重ねるほど、その思いは強くなりました。私たちがめざすのは、周囲の人や集団とともに幸せを築いていく社会です。仲間の達成をわがごとのように分かち合い、居場所と呼べる場になじみ、その協調を支えに、一人ひとりが自律的に動き出す。We-Beingは、そんな人と場を社会に増やしていくための概念です。
だからこそ、コクヨはWe-Beingを生産性の道具にせず、囲い込みません。共感してくださる企業や組織、研究者や実践者のみなさんと協力しながら磨き、社会にひらいて広げていきます。実装の場は職場から、学び舎や公共空間へ。日本にとどまらず、アジアのウェルビーイングもひもといていきます。その先に見たいのは、頼れる誰かがいる拠り所と、騒がしさから少し離れられる逃げ場が、社会のあちこちにある風景です。
4. プロジェクト概要
We-Being Projectに関する情報やコンテンツをWebサイトや各種SNSで更新していきます。


プロジェクト公式サイト:https://we-being.net/

プロジェクトSNSアカウント

・Instagram(@we_being_pj):URL:https://www.instagram.com/we_being_pj/
・Facebook(@We-Being):URL: https://www.facebook.com/webeing.pj
・YouTube(@We-Being):URL:https://www.youtube.com/@We-Being
・spotify(@We-Being Radio):URL:https://open.spotify.com/show/5VWxfXcHMUxOAekmZSoJBc

【参考】
◾️日本の職場の現状
職場における幸せの捉え方は文化によって異なります。コクヨと京都大学が行った9かカ国調査でも、その違いが明らかになっています。
日本においては、チームワークや顧客からの感謝など、関係性の中に幸せを見出しやすいことがわかります(図1)。また、過去の職場での思い出(特に仲間との記憶)を、現在の活力にする人が多いのも特徴です(図2)。
日本は協調性の高い文化といわれながら、気軽に相談できる同僚の数は平均2.0人と9かカ国中最少。「1人もいない」という人も約20%に達しました(図3)。
関係性が日本の幸せを高める一方で、実態として、現状職場における協調関係は崩れています。私たちは、We-Beingがこの課題を解決し、幸せな職場を取り戻す方法の1つになると考えています。

写真:図1

図1


写真:図2

図2


写真:図3

図3


【補足】
(*1)「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年実施)」(内閣府)
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa/r7.html

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