働き方用語辞典 「グラウンディング」
グラウンディング
生成AIの出力を、外部の信頼できる情報源と結びつけて、
事実に基づいた正確な根拠を持たせる手法や概念
「グラウンディング」とは、生成AIの回答や出力を、外部の信頼できる情報源に紐づけることで、根拠を明確にする手法・概念のことです。「Grounding」はもともと英語で「接地」を意味しますが、生成AIの分野では、回答する情報に、汎用的な知識に加え、特定のデータベースや最新のウェブ情報、文書、画像・音声、対話履歴などのデータソースと結びつけて、信頼性の高い正確な回答を得る仕組みを指します。ちなみに、心理学においてグラウンディングは、「地に足をつける」という言葉の意味から、不安を感じたときやパニックの状態になったとき、「今、ここ」へ意識を集中し心を落ち着かせる手法として使われています。
AIは、事前学習による知識を基盤に回答を出力します。また、文脈によって次に来る単語を確率的に予測し、正確な内容よりも流暢な文章を生み出す特性があります。そのため、データに誤りや偏りがあると、事実とは異なる内容を生成するハルシネーションが発生しやすくなります。特にビジネスや専門的な用途において、誤った情報の提示は致命的な信頼性の低下を招きます。
そのため、外部の信頼できる情報源と結びつけて根拠を持たせる「グラウンディング」を行い、情報の裏付けを明確にすることが、AIの回答の正確性と信頼性を担保するために不可欠となります。
■主なグラウンディングの実現手段
グラウンディングを実現させるには、複数の技術的アプローチがあり、それぞれ目的やデータソースの性質に合わせて使い分けることができます。
・RAG(検索拡張生成)
質問に対し、社内マニュアルや契約書、顧客対応履歴などの社内データベースやナレッジベースといった情報源で検索(Retrieval)を行い、関連性の高い情報をプロンプトとして渡し、それを根拠に回答させる一般的な手法。独自のデータソースを基盤にすることで、根拠のある回答を抽出することができる。
・Web検索連携
GoogleやBingなどの検索エンジンと連携し、インターネット検索を実行し、ニュースや市場動向、改正法などの最新情報を参照して回答に反映させる。精度が高く、かつ最新の情報を取得することができる。
・引用・出典の明示
回答の根拠となった情報源をユーザーに提示する。該当箇所のURLや文書名、ページ番号などを回答と一緒に提示し検証可能にすることで、情報の透明性と信頼性が向上する。
いま、仕事でAIを使う機会がぐっと増えていますが、一見すると正しそうに見えて中身のない情報の「ワークスロップ」や、AIが誤った情報を生成する「ハルシネーション」など、人がしっかり見極めなければいけない場面も増えています。今後はAIを提供する企業による「グラウンディング」などの技術的な工夫が進んでいくはずですが、私たち自身もこうした仕組みや概念を知っておくことで、AIと上手に付き合いながら働くためのヒントになるでしょう。
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