なぜオフィスは荒れる?環境維持のための仕組みづくり
オフィス環境の小さなほころびは、放置すると従業員のストレスや生産性の低下につながるかもしれません。しかし、その改善活動を総務担当者だけに任せてしまうと、限界があるのも事実です。
本記事では、コクヨが実践する、社員を巻き込んだ継続的な「オフィスカイゼン」活動について解説します。
記事で紹介する「オフィスカイゼン」の具体的なノウハウや、改善プロジェクト立ち上げのポイントをまとめたホワイトペーパーを無料で配布しています。ぜひ、貴社のオフィス環境改善にお役立てください。
1.なぜ今「オフィスカイゼン」が必要なのか?
オフィスを快適な環境に維持し、働きやすさを保つには、日常的なオフィスの使いにくさを解決する活動「オフィスカイゼン」の取り組みが不可欠です。
コクヨでは、オフィスを「畑の土」と捉えています。
畑の土が悪いと、どんなに良い種を蒔いても作物はうまく育ちません。オフィスも同様で、働く環境が悪ければ、社員のパフォーマンスが上がらず、満足のいく成果を得ることは難しいでしょう。
オフィス環境は、畑の土と同じように「日々耕すこと」、つまり「運営維持をすること」が重要と言えます。日々のカイゼンで、社員がイキイキと働ける環境が整い、企業が求める成果へとつながっていくのです。
2.オフィス環境の悪化が引き起こす、目に見えないコストとは
・配線がグチャグチャになっている
・通路にダンボールが山積みになっている
・ゴミが落ちていても誰も拾わない
・晴れているのに、傘立てがビニール傘であふれている
これらは些細な問題に見えますが、従業員の意識低下やルールの不徹底は、「オフィス環境の悪化」が起因している可能性があります。
オフィスがものであふれ、ルールが守られない環境は、オフィスの雰囲気自体が荒れるだけでなく、従業員の心理的な部分にも深刻な影響を与えます。具体的には次の4つの問題があげられます。
従業員のストレス増加
健康問題への直結
業務効率の低下
愛社精神の低下
こうした問題を解決するため、オフィス環境改善の取り組みが必要なのです。
3.オフィス環境改善は「総務任せ」では限界がある理由
※ファシリティマネージャーとは:企業や団体が保有・使用する施設
(ファシリティ)や環境を、経営的な視点で最適化する専門職。
しかし現実には、総務やオフィス担当者のみでオフィス環境の運用企画から維持・管理までをすべて実施していくには、限界があります。日々の業務に追われ、本来注力すべき「より働きやすいオフィス環境づくり」まで手が回らない、というのが多くの企業の現状ではないでしょうか。
そこでコクヨが推奨するのが、総務部を「事務局」としながらも、社内の他部署メンバーを巻き込んで日々のオフィス環境の改善・維持・運用活動を実施する仕組みづくりです。
4.成功の鍵は社員の巻き込み。「オフィスカイゼン委員会」の仕組み
オフィスの管理を特定の人に任せると、担当者だけが悩みがちです。しかし「オフィスカイゼン委員会」という社員参加型の組織にすることで、社員自身が考え、実態に沿った環境を維持することができ、また帰属意識を高める効果も期待できます。
「オフィスカイゼン委員会」の具体的な運営
・メンバー構成
全社の各部門から1名ずつメンバーを選出します(コクヨでは1年交代制)。事務局は総務部が担当します。
・活動内容
月1回程度のワークショップでオフィスの課題出しやディスカッションを実施。事務局(総務部)が企画とカイゼン策の実装を担います。
・運営のポイント
委員の負担を減らすため、「宿題は出さない」ことを方針としています。普段は通常業務に集中し、月一度のワークショップでしっかり考える、という形式が継続の秘訣です。
5.すぐに実践できる「オフィスカイゼンレシピ」事例紹介
事例1:傘を持ち帰ってくれない
After: 「あなたのカサを連れて帰ってください!」というメッセージと、チェック日を記入できるシールを作成。晴れた日の朝、残っている傘にシールを貼り、一週間後にチェックします。
事例2:運用の注意事項を誰も守ってくれない
After: 注意書きだけでは高圧的になりがち。そこで、「くだサイ君」というオリジナルキャラクターを活用。「元にもどしてくだサイね」といった、やわらかい表現で親しみやすく伝えることで、社員の行動を促します。
事例3:個人の荷物を置くスペースが足りない
After: デスクに適した荷物カゴを設置。埃やごみが溜まらないメッシュタイプを採用しました。
事例4:延長コードが必要な時に手に入らない
After: セルフ貸出ができる共用備品として整備。ファイルボックスなどで定位置を決め、誰でも使いやすい環境を整えました。
6.オフィスの環境改善・オフィス運用の効果
コクヨ霞が関オフィスのリニューアル後、働きやすいオフィス環境かどうかの満足度を調査した結果が、上記のグラフです。
リニューアル前、62.8%の満足度だったのが、リニューアル直後92.1%へ上昇します。一般的には、リニューアル直後から急速に満足度が下がっていくのですが、コクヨでは、オフィスカイゼン活動を継続的に行っているので、2年後も89.7%、3年後も87.2%と、社員の満足度は高い水準で維持されています。
オフィス運用で大切なことは、「オフィスの環境を整え続けること」です。
まずは無理のない範囲で、継続できるカイゼンに取り組んでみませんか?
本記事では、「オフィスカイゼン」活動について、必要性から効果までを解説しました。
・オフィス環境は「畑の土」。日々耕す(運営維持する)ことが重要。
・環境の悪化は、ストレス増加、健康問題、効率低下など目に見えないコストを生む。
・総務任せの改善には限界がある。
・成功の鍵は、社員を巻き込む「オフィスカイゼン委員会」などの仕組み。
・日々の小さな課題解決(カイゼンレシピ)が満足度を維持する。
・カイゼン活動の継続が、高い満足度を維持する秘訣。
皆さまの企業でも、本記事でご紹介した「オフィスカイゼン委員会」を立ち上げ、実践してみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した「オフィスカイゼン」の具体的なノウハウ、委員会の立ち上げ方、さらに多くの「カイゼンレシピ」をまとめたホワイトペーパーをご用意しました。
ぜひ、貴社の「働きやすいオフィス」づくりの仕組み化にお役立てください。
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