オフィスレイアウト変更で働き方の課題を解決!配置パターンと進め方【事例あり】

働き方の変化に伴い「出社したくなる」「生産性やコラボレーションが高まる」オフィスレイアウトへの刷新が求められています。本記事では、基本のレイアウトパターン(島型・対面・対話・ABW等)の特徴やメリット、失敗しないレイアウト変更の進め方・動線計画のポイントを事例を交えてわかりやすく解説します。

オフィスレイアウト変更で働き方の課題を解決!配置パターンと進め方【事例あり】01

KOKUYO HQ オフィス

目次(読了時間:約5分)
オフィスレイアウトは、社員の働きやすさや組織内のコミュニケーション、業務効率などに影響する大切な要素です。昨今は、経営環境の急激な変化にともなって、旧来型のオフィスレイアウトが社員の働き方に合わなくなり、組織の問題につながっているケースがさまざまな企業で見られます。

オフィスレイアウトは単なる家具の配置だけではなく、企業が目指す働き方や企業文化を反映させることで社員のエンゲージメントや生産性の向上につなげる、戦略的なツールへと進化しています。この記事では、オフィスレイアウトの基本から、戦略的なオフィスレイアウト変更の効果や具体的な進め方まで、事例写真を交えて解説していきます。

1.オフィスレイアウトの基本パターン

まずは、オフィスレイアウトの基本である「デスク配置」と「座席運用」の基本パターンを確認しておきましょう。

各パターンの特徴やメリット・デメリットを一覧表にまとめました。それぞれのパターンについてより詳しい情報は、関連記事も参考にしてください。

関連記事:
オフィスレイアウトの基本とは?働きやすい空間を実現するためのコツ

デスク配置の基本5パターン

デスク配置は、業務内容やオフィスの面積、使用する家具によって向き・不向きがあります。ここでは代表的な5つのパターンをご紹介します。

対向島型
背面対向型
クロス型
ブーメラン型
ブース型
特徴
同じチームのメンバーが向かい合うように「島」を作る
デスクを背中合わせに配置し、正面は壁やパネルで仕切る
「島」を縦横に交差ささせて配置する
120度の角度をもつデスクを組み合わせて亀甲状に配置する
デスクの周囲をパネルで囲い、半個室状にする
メリット
・チームメンバーとのコミュニケーションがしやすい
・スペース効率が高い
・正面からの視線がなく作業に集中しやすい
・チームメンバーとの打ち合わせもしやすい
・動線が固定されにくく、フロアを柔軟に使える
・斜め方向で自然な会話が生まれやすい
・作業スペースが広い
・視線が交わりにくく、集中しやすい
・近くのメンバーとのコミュニケーションも容易
・視線や音が遮られ、集中できる
・機密情報を守れる
・オンライン会議がしやすい
デメリット
・常に視線があり集中しづらい場合もある
・ほかの島と疎遠になりがち
・通路スペースを広めに取るため、相応の床面積が求められる
・通路設計に工夫が必要
・相応の床面積が求められる
・家具が特注になる場合もある
・コストや設置面積が大きくなりがち
・周囲とのコミュニケーションが減りやすい
向いている業務
チーム内で常時連携が必要な業務
集中を要する作業が中心で、チームワークも必要な業務
チーム内の情報共有と他チームとの連携、両方が必要な業務
大型のモニターや、大量の資料を使うなど、広い作業スペースが必要な業務
機密情報を扱う業務や、作業への高度な集中が求められる業務
関連記事:
理想的なオフィスレイアウトの作り方!デスク配置から始めよう

座席運用の基本4パターン

座席運用とは、どの座席をいつ誰が利用するかを決めるルールや制度です。代表的なものは、下に紹介する「固定席」「フリーアドレス」「グループアドレス」「ABW」の4つです。各パターンと相性の良いデスク配置とあわせてご紹介します。

固定席
フリーアドレス
グループアドレス
ABW
特徴
社員一人ひとりに専用の席を割り当てる
固定席を設けず、空いている席を自由に選ぶ
チームや部署に割り当てられたエリア内で自由に席を選ぶ
業務内容に応じて働く場所や時間をオフィス内外から選択する
メリット
・誰がどこにいるかわかりやすい
・チーム内のコミュニケーションを取りやすい
・部署を越えたコミュニケーションが起こりやすい
・効率の良いスペース活用ができる
・チーム内のコミュニケーションを取りやすい
・誰がどこにいるかわかりやすい
・業務に最適な環境を選べるため、生産性や働きやすさが高まる
・効率の良いスペース活用ができる
デメリット
・スペース効率が悪くなりやすい
・部署を越えたコミュニケーションが起こりにくい
・誰がどこにいるのかわかりにくい
・書類や荷物の管理ルールが必要
・部署を越えたコミュニケーションが起こりにくい
・スペース効率が悪くなりやすい
・誰がどこにいるのかわかりにくい
・労務管理が難しくなりやすい
相性の良いデスク配置
対向島型
背面対向型
クロス型
対向島型
クロス型
背面対向型
ブース型
関連記事:
ABWとは?導入企業のオフィス事例・働き方から解説
【企業事例あり】フリーアドレスオフィスとは?メリットや注意点も紹介

2.戦略的なオフィスレイアウト変更の効果

ここまで見てきたように、デスク配置や座席運用には、業務内容や働き方との相性があります。たとえば、全員出社が前提となっていた時代には合理的だった固定席・対向島型のレイアウトも、リモートワークの導入により全員が出社するわけではなくなると「オンライン会議がしにくい」「空席が多くて非効率」などの問題につながることがあります。

オフィスレイアウトの変更は、人数に合わせた座席の増減や、模様替えのためだけに行うものではありません。業務や働き方の変化に応じて戦略的にオフィスレイアウトを変更することで、組織のさまざまな課題を解決できることもあります。

その効果の一部を、ここでご紹介します。

オフィスレイアウト変更で働き方の課題を解決!配置パターンと進め方【事例あり】07

KOKUYO HQ オフィス

コミュニケーション不足の解消

周囲の人がアプローチしやすいデスク配置や、ABWやフリーアドレスなど部署を越えた出会いが生まれやすい座席運用の導入は、コミュニケーションの促進に効果的です。また、飲み物や本、おしゃれな家具やグリーンなどを置いた交流エリアを設置をオフィス内に設置すると、そこで偶然出会った人同士の交流が生まれ、オフィス自体の魅力も向上します。

生産性の向上

社内でのさまざまな活動内容にマッチした使いやすいオフィスは、業務効率をアップし、生産性を高めます。固定席やオープンな執務スペースなど、集中作業やWEB会議に不向きな執務環境が業務効率を下げているなら、作業内容に応じて使い分けられる多様なワークスペースを設けましょう。在宅勤務よりも快適な環境を提供できれば、出社率の向上にもつながります。

組織への帰属意識・エンゲージメントの向上

自社らしさが感じられる、おしゃれで快適なオフィスは、組織に対する社員の帰属意識・エンゲージメント向上に効果的です。企業ビジョンを体現するデザインや、社員のウェルビーイングに配慮したオフィスレイアウトは、自社に対する社員の誇りや働きがいにつながり、離職防止にも寄与します。

オフィススペースの効率的な活用

戦略的なレイアウト変更は、オフィススペースの有効活用や管理コストの最適化にも効果があります。執務スペースに空席が多い、会議室が足りないなどの非効率が生じている場合は、フリーアドレスの導入や、移動式の家具による柔軟なスペース運用などによって改善が可能です。

3.働き方の課題別、コンセプト設計とゾーニング計画

戦略的なオフィスレイアウト変更の第一歩は、組織の課題に応じたコンセプト設計とゾーニング計画です。ここからは、働き方の課題別に、コンセプトの例とゾーニングの考え方を、コクヨ社内の事例写真を交えながらご紹介していきます。

また関連記事では、さまざまな業種の企業事例を多数ご紹介しています。あわせてご覧ください。

関連記事:
【事例16パターン】働きやすいオフィスレイアウトにするコツを解説

出社率低下などによるコミュニケーション不足

在宅勤務制度の導入などにより、オフィスでの偶発的な交流の機会が減少すると、部門を超えた連携や新しいアイデアの創出も停滞しがちです。この課題を解決するためには、「共創・交流の促進」に関連したコンセプトを立てるとよいでしょう。

2021年10月にコクヨが実施したアンケート調査結果によると、部署を超えたコミュニケーションが活性化するスペースは、「カフェスペース」(36.6%)、「休憩室」(35.3%)、「ラウンジ」(29.8%)が上位3位。また、コミュニケーション活性化のポイントは「一定時間その場にとどまる」「話しかけるきっかけがたくさんある」ことであるとわかりました。ゾーニング計画では、執務エリアの中心やエントランス付近など、人が集まりやすい場所に交流スペースを置くのがおすすめです。

関連記事:
【タイプ別】社内コミュニケーションを活性化するオフィスレイアウト例

ワークスペースの使いづらさによる生産性の低下

リモートワークと出社を組み合わせるハイブリッドワークの環境下において、オフィスで過ごす社員は「集中したい」「WEB会議をしたい」「チームで共同作業をしたい」などさまざまなニーズを持っています。生産性向上を目指すなら、「多様なワークスペースの導入」をレイアウト変更のコンセプトにしましょう。

ゾーニング計画では、オープンな執務スペースだけでなく、ソロブースや半個室からなる集中スペース、チームで共同作業ができるエリアなどを設けるのがおすすめです。可動式の仕切りや家具を使ったオープンミーティングスペースなら、スペース不足にも柔軟に対応できます。

働き方の多様化による組織への帰属意識低下

オフィスへの出社が当たり前ではなくなった昨今、多くの企業が「社員の帰属意識の希薄化」や「エンゲージメントの低下」といった課題に直面しています。これを解決するためには、「企業ビジョンを体現する空間」をレイアウト変更のコンセプトに置くことをおすすめします。

ゾーニング計画では、オフィスのエントランスや共用スペースに、企業メッセージをや企業の歴史を表現する壁面や展示スペースを確保しましょう。自社に誇りや愛着を感じられる環境が、社員の帰属意識向上に寄与します。

オフィスレイアウト変更で働き方の課題を解決!配置パターンと進め方【事例あり】09

コクヨ品川オフィスのエントランス

出社人数の変動によるオフィススペースの非効率化

ハイブリッドワーク環境では出社人数の変動が予測しにくく、従来の全員分の固定席を確保するレイアウトは非効率になりがちです。

なお、2025年にコクヨが行った調査によると、オフィスの全体面積に対する執務スペースの割合は約6割で前年とほぼ同様だった一方で、来客会議室の割合が社内会議室の2.6倍に変化していました。これは出社回帰の影響と考えられます。

オフィススペースの使われ方は社会環境によって変化し、必要なスペース配分もその都度変わります。オフィススペースの効率化や管理コストの最適化を目指してレイアウト変更を行うなら、「フレキシブルなスペース運用」をコンセプトにすることをおすすめします。

特定の用途に限定しない多機能な空間を設け、家具や間仕切りを柔軟に変更できるようなゾーニング計画を立てれば、空間の利用効率向上に効果的です。

4.オフィスレイアウト変更を成功させる5つのステップ

ここまでで、戦略的なオフィスレイアウト変更の必要性や効果を理解いただけたでしょうか。続いて、オフィスレイアウト変更を行う際の具体的な進め方を、5つのステップに分けてご紹介します。

ステップ1:現状分析と課題抽出

まずは組織の現状を知り、解決すべき課題を明確にするところから始めましょう。

具体的には、座席の稼働率など客観的なデータと、社員アンケートやヒアリングなど主観的な声との両面から、現状の課題と社員のニーズを抽出します。その上で、企業の理念や経営戦略に照らし合わせて、優先すべき課題を明らかにしていきます。

ステップ2:コンセプト策定

解決すべき課題が見えたら、「どのような会社でありたいか」「どのような働き方を実現したいか」を言語化し、最終的に「そのために、どのようなオフィスを作るか」というコンセプトを策定します。

このコンセプトが、オフィスのレイアウトやデザイン、家具選びの指針となります。

ステップ3:ゾーニング計画

コンセプトに基づいて、執務、会議、集中、リフレッシュといった機能を大まかに配置したゾーニング計画を作成します。従業員の動線やセキュリティレベルも、災害対策なども考慮しながら、オフィス全体の骨格を決定します。

ステップ4:新レイアウトの設計と導入

ゾーニングが決まったら、家具のサイズや通路幅なども含めて詳細な設計図を作成し、費用の確認や調整を進めます。レイアウト変更の規模や予算に応じて、家具の発注や設置を社内で行うのか、パートナー企業や納入業者に依頼するのかなども決定し、各種手配を進めます。

レイアウト変更の際には、一時的な業務場所変更やオフィス運用ルールの変更など、社員の協力が必要な場面が多々あります。スムーズな実施と定着のためにも、社員への説明会を実施して理解・協力を得るようにしましょう。

ステップ5:新レイアウトの定着と改善

リニューアル後も快適なオフィス環境を維持し続けるためには、新オフィスに対する社員の評価を定期的に確認し、運用・改善していく体制が必要です。

レイアウト更新後にオフィスの運用を開始してから、思わぬ問題が見つかる場合もあります。ヒアリングやアンケートなどを通して社員の評価やニーズを把握し、必要に応じてオフィスやルール・制度をアップデートしていきましょう。

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5.「目指す働き方」からオフィスレイアウトを設計しよう

オフィスレイアウト変更を組織の課題解決につなげるには、将来的に目指す組織の状態や、理想的な働き方を明確にし、そのために必要なオフィス像を描くことが大切です。

オフィスレイアウトは、単にスペースに応じて机を並べることではなく、目指すオフィスの状態から逆算して、戦略的に導き出すものなのです。そして、レイアウトをいちど変更したら終わりではなく、現状分析と課題抽出・オフィスへの反映というPDCAサイクルを回し続けることで、目指す組織の状態に近づけていくことができます。

コクヨでは、オフィスづくりのコンサルティングから、レイアウト変更のプロジェクトマネジメント、設計・施工・家具納入、事後の定着・改善までワンストップでサポートしています。オフィスのレイアウト変更にお困りの際は、ぜひご相談ください。

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