職場環境はオフィスチェアーで変わる?
ingCloud導入企業に聞く、座り心地がもたらす変化とは

職場環境はオフィスチェアーで変わる?ingCloud導入企業に聞く、座り心地がもたらす変化とは

執務室リニューアルにあわせて、オフィスチェアー「ingCloud(イングクラウド)」を導入したJERA品川火力発電所。全職員分のイスを変えたことで、職場環境はどう変化したのか。仕事のモチベーションだけでなく、私生活への影響など、総務担当者、実際に座っている職員の皆様に語っていただきました。開発担当者・木下洋二郎が参加した座談会の様子をお届けします。

※本記事の無断転載・無断引用はご遠慮ください。

この記事は約8分で読めます

JERA品川火力発電所にて座談会を実施

JERA品川火力発電所にて座談会を実施

Member Profile

木下洋二郎

コクヨ株式会社
グローバルワークプレイス事業本部 1Mプロジェクト

JERA品川火力発電所

西塚正樹さん 管理ユニット 課長 主に所付
杉山健司さん 管理ユニット 課長代理 主に所付
前澤孝之さん 管理ユニット 課長代理 総務、安全、工法、現場作業
西村都子さん 管理ユニット 主任 千円、現場作業
園田忍さん 管理ユニット 担当 総務、予算、工法、現場作業
新藤慎司さん 技術ユニット 課長代理 給電、運転業務、現場作業
古内光さん 技術ユニット 担当 発電用消耗品受入、予算、現場作業
小幡淳さん Kaizen推進ユニット 主任 Kaizen、現場作業

「フラットな職場」を目指し、イスのセレクトも全員で

木下

木下

オフィスチェアー「ingCloud」を実際に使っている皆さんにお会いできて嬉しいです。まずは、今回、執務室エリアをリニューアルするにあたって、どんなことを考えられていたのか、教えていただけますか。

前澤さん

前澤さん

一番は「発電所としての一体感」です。以前は執務室が2つのフロアに分かれていたのですが、同じフロアにいたほうがコミュニケーションを取りやすいですし、一体感も生まれるだろうと思いました。人数が多かった時代の名残でフロアを分けていたのですが、人数が減ったにもかかわらずそのままにしていたところがあり、「これならワンフロアで十分いけるよね」ということで、まとまることにしました。

木下

木下

これまでの働き方に、課題感のようなものはあったのでしょうか。

前澤さん

前澤さん

正直なところ、課題感というよりも「フロアが分かれていることに慣れていた」というのが実情です。実際にワンフロアになってみて初めて、これまであまり話せていなかった人と話せるようになったことに気がつきました。例えばちょっとした疑問があっても「フロアも違うし、わざわざ聞きに行かなくてもいいか」と流してしまっていたのが、気軽に聞きに行けるようになり、コミュニケーションが活発になったと思います。やってみてから気づいたことのほうが多かったです。

木下

木下

執務環境のリニューアルの中で、オフィスチェアー「ingCloud」を検討したきっかけを教えてください。

前澤さん

前澤さん

「執務環境を良くして働きやすくしよう」という目標のために、他に何かできることはないかと、コクヨさんのショールームに足を運ばせてもらいました。そのとき、たまたま発売前だった「ingCloud」に出会ってしまったんです。カラーリングがユニフォームに似ていたのも、注目したきっかけでした。

カラーリングがユニフォームとマッチ

カラーリングがユニフォームとマッチ

杉山さん

杉山さん

私は他にもいろいろなイスに座ってみたのですが、中でも「ingCloud」は背が高くてゆったり座れるうえ、座面も広かった。それに、座面が動くでしょ。座り心地が良くて、「これは非常にいいな」と一目惚れでした。ただ、金額的には少し厳しいかもしれないとも思いました……。

木下

木下

「これだ」という思いを、社内にはどう伝えていったのでしょうか。

杉山さん

杉山さん

候補になったイスを各メーカーさんからお借りして並べ、職員全員に投票してもらいました。実際に座ってみて、いいと思ったものにシールを貼ってもらい、上位のものを選んでいきました。そうしたら、「座面が動くものがいい」という意見が多かったんです。

新藤さん

新藤さん

バランスボールに座っているような感覚で座面が揺れるイスなど、最終的には3種類ほどまで候補を絞り込んだのですが、結果的には「ingCloud」でほぼ満場一致でしたね。

木下

木下

ちなみに、役員エリアだけとか、スポット的に導入される例もあるのですが、全エリア、全職員に導入された理由はあったのでしょうか。

西塚さん

西塚さん

私たちが目指しているのは、フラットな組織です。トップである所長も現場のメンバーと直接話をしますし、間に立つ役職があっても関係なく、フランクに仕事をしようというのがこの発電所の一つの特長なんです。役職によってイスを変えてしまうと、そうしたコミュニケーションの空気を壊しかねません。だから、全員同じイスにするというのは、当然の選択だったと思っています。

フリーアドレスのフロア全席に「ingCloud」を導入

フリーアドレスのフロア全席に「ingCloud」を導入

1日6時間以上座っていても「疲れにくい」という実感

木下

木下

実際に使ってみた感想をお聞かせください。

西村さん

西村さん

長時間座っていても疲れにくく、午後になっても集中を持続できるようになったと思います。座面が動いて、自然と体が動かせるのがいいのかなと思います。ちょっと休憩する時も、座ったまま深く寄りかかることができて、とても心地よいです。

古内さん

古内さん

私は現場に出る日もあるのですが、事務の日は一日中ずっと座ってモニターを見ています。画面が上下にあるので、どうしても首を痛めがちだったのですが、「ingCloud」は腰の動きに合わせて自然に前後に重心が動いてくれるので、肩の疲れが軽くなりました。「私、こんなにだらけて座っていいのだろうか」と思うくらいです(笑)。

園田さん

園田さん

私は在宅勤務と半々くらいなのですが、以前は在宅のほうが楽だと感じていました。でも最近は、出社した日のほうが集中できて疲労感も少ないんです。オフィスの雰囲気も変わったし、会社に入った瞬間から「働きたい」と思えるようになりました。数字を見る業務が多いので、集中し過ぎてしまうことがあるのですが、イスのおかげか、疲労感が軽減しました。帰宅して子どもを寝かしつけるまで、疲れを意識せずに頑張れるようになりました。

木幡さん

木幡さん

長時間座っていても体に負担がかかりにくいので、痛いところに気を取られて集中力が削がれるようなことが減った気がします。また、以前は誰かに話しかけるときも立ち話が多かったのですが、今は自然とイスに座ってリラックスしながら話せるようになりました。そういう気軽さがコミュニケーションのしやすさにつながって、結果的にモチベーションにも良い影響が出ているように感じます。イスが変わったことで、執務環境にいい効果が出ているんだなと実感しています。

前澤さん

前澤さん

私は総務業務をしているのですが、「できて当たり前」というプレッシャーのある仕事で、間違えると影響も大きいです。そんな中でも、比較的ミスが少なくなった感覚があります。集中力が増しているのだろうと思います。今までは、当たり前のようにただイスに座っていて、あまり重視したことはなかったのですが、「イスって大事なんだな」と改めて気がつきました。

座るだけで、心身のリフレッシュができる

木下

木下

身体的な負担が減ったことで、発想力や思考、好奇心の広がりに変化はありましたか。

西塚さん

西塚さん

考えが行き詰まったときに、イスに寄りかかってぼーっとできるので、そこから「あ、こんなこともできるかもしれない!」と好奇心を持って働く機会が増えた気がします。

 杉山さん

杉山さん

現場は緊張感を持って対応する場面が多いので、事務所に戻ってきたときに、一度そこから切り替えられる場所が必要だと感じています。「ingCloud」は、座ったまま角度を変えるだけで、前のめりの姿勢からリラックスモードへ切り替えられる。しっかり30分休憩を取るというより、ふとした瞬間にオンとオフを切り替えられるのがいいです。

新藤さん

新藤さん

分かります。私も現場から帰ってきて、こう斜めに座った瞬間、まるで無重力のような感じがして。あれがすごく気持ちをふっとオフにできるし、疲れがとれてリフレッシュできる感覚があります。

体を倒すだけで、リラックスモードに

体を倒すだけで、リラックスモードに

前澤さん

前澤さん

以前は帰りの電車の中で寝落ちしてスマホを落とすくらいに疲れていました。でも今はスマホを落とすこともなくなって、家に帰ってから好きな配信番組や動画を楽しむ余裕ができてきました。プライベートでの自分の好奇心が刺激されることで、仕事へのアイデアにもつながってきているように思います。

「オンもオフも集中できるイス」。開発者の想いとは

木下

木下

「ingCloud」を開発するにあたって、もともとターゲットにしていたのは、長時間座り続ける方たちです。そうした方々のために、まずは体にかかるストレスやノイズをできる限り減らすことを目指しました。中でも特に座っている時間が長いのが、エンジニアやプログラマーなど、キーボード作業をずっと同じ姿勢で続ける方たち。腰痛に悩んでいるという声も多く聞いていたので、そうした方たち40人ほどに協力していただき、2〜3時間ずつ実際に座って対話をしながら改善を重ねていきました。「体のストレスをなくすことで仕事に集中できるようになってほしい」という当時考えていたことが、こうして実際に使ってくださる方の言葉として返ってくるのは、本当に嬉しいです。

ingCloud開発者・コクヨ木下洋二郎

ingCloud開発者・コクヨ木下洋二郎

木下

木下

また、体の負担を減らして仕事に集中できるようにすることに加えて、お話にも上がったような、オフの時やアフターファイブも含めて、全力で取り組めるようなイスにしたかったというのがあります。在宅勤務の方は特にそうですが、昼は仕事で使って、夜は趣味のために使うという人も結構いらっしゃいます。アフターファイブも含めて1つのイスを使ってもらうことができたらなと考えていました。先ほど、ふっとリラックスできるというお話をいただいて、ゲームをするなどリラックスする時間も含めて検証し開発していたので、120%狙い通りだな、と。

前澤さん

前澤さん

設計の段階から、健康と創造性という部分は結びつけて考えていたんですか?

木下

木下

初代ingチェアーの開発段階では、脳の活性化に関するエビデンスも取得していました。脳はもともと「体を動かすため」に機能しているという考え方があります。ホヤという貝は、居場所を見つけるために脳を使い、場所が見つかって動きを止めると脳を捨てることが知られています。動くことと脳の活性化は切り離せない関係にあります。そうした発想も、設計のヒントの一つになっています。

使い続けてこそ分かる、いいものの良さ

木下

木下

同じように働き方や社員のモチベーションに課題感を持っている企業に向けて、伝えたいことはありますか。

前澤さん

前澤さん

イスの座り心地は人それぞれなので、話を聞くだけでなく、実際に座ってみるのが一番だと思います。社内の他の発電所の担当者が見学に来ることもあるのですが、話だけ聞いて「へえ」で終わってしまうことも多いです。でも、実際に座ってもらうと、導入したくないという人は見たことがないです。もちろん費用の面もあるので簡単な話ではないのですが、「良いものはみんなわかるんだな」と感じています。

木幡さん

木幡さん

導入直後は「座面が動くイスは自分には合わないかも」という戸惑いの声も聞こえていました。でも、使い続けるうちに自分に合う動き方を見つけていく方が多いようで、最近ではそうした声をほとんど聞かなくなりました。

新藤さん

新藤さん

ちょっと気持ちわかります。使い始めた当初は、座面がずっと動くのは自分には合わないかもしれないと思っていたんですが、本当に慣れましたし、仕事が終わっても全然腰が痛くなかったりして、「あ、この動きが自分にあっているんだな」という気づきがありました。

体の動きに合わせて座面が前後左右に動く

体の動きに合わせて座面が前後左右に動く

木下

木下

座り直す回数が減っているのではないかと思います。座っている間に腰の位置がずれてくるのが少ないというのも「ingCloud」の特長です。体との隙間をどれだけなくすかにもこだわっていて、局所的、集中的に荷重がかかるところを減らし、なるべく広い面で支えていることを体感いただけて良かったです。導入していただいた甲斐がありました。

前澤さん

前澤さん

トップダウンで良いものを入れたつもりでも、反発が出て失敗することがあります。「みんなが納得して座れるものを」という姿勢が、リニューアルを通して、社員一人ひとりに伝わっていたように思います。そして、その快適な環境による心のゆとりが、発想力や好奇心を刺激し、仕事の思考を広げる原動力になってると感じています。

木下

木下

皆さんの笑顔に、職場の一致団結が強まっているのを感じます。また、オフィスチェアーが居心地の悪さというノイズを消すことで、快適さが仕事だけでなく私生活にも影響を与え、仕事へのモチベーションや集中力への好循環が生まれていることが分かりました。貴重なお話をありがとうございました。