震災から14年、有志5人でいわき市の温泉・震災遺構を巡り絆を深める「ふくしまぐらし。」ワーケーション体験記(後編)
リコーの提案をきっかけに、部署の異なる5人の有志メンバーで参加した「ふくしまワーケーション」。震災から14年が経過したいわき市・浜通りを訪れ、絶品海鮮グルメや湯本温泉、話題のメヒコを満喫しつつ、震災伝承みらい館や請戸小学校での学びを深めた密度の濃い滞在記(後編)をお届けします!
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※2回シリーズの後編です。前編の記事を読みたい方は、下記をクリック!
震災学習~廃炉資料館・震災資料館~
震災学習いよいよ後編、ここからは、担当のタニィーがお届けします!
震災に関する様々な資料館を巡った記録をお届けします。
普段は、ワークプレイス系のお仕事をしていますが、ものづくり大好きな為、ここでは一番盛り上がっていました。
リプルンふくしま
開かれた情報発信の一環として環境省が運営。
放射性物質に汚染されたごみの埋立処分について安全確保への取り組み紹介や、放射線の基礎知識などがわかりやすく学べる、入館無料の体験型情報館。
「動かし」「さわり」「遊び」ながら「知る」ことができる。
●動かし:形が崩れない!地盤改良用収納容器の秘密
・1点吊りしても底部の形が崩れず、安定した締固めを実現。
・吊り比べ用の模型に感動。考えた方は昭和世代のお酒好きに違いない。
・<寿司折り>と名付けてはどうか。中間貯蔵施設を<ちゅうちょ>と略称されていた為。
●さわり:放射線を測定、遮蔽してみて浮かんだ疑問
・汚染されずとも身の回りのものから放射線が出ていることを実感。
・鉄板より鉛板の方が遮蔽力が高い。原子炉格納容器は鉄だったはず。なぜ鉛にしないか?
⇒鉛は溶融温度が320度と低く、高圧下で水温が280度にもなる原子炉には不向きとの回答。
⇒100度で沸騰した蒸気がタービンを回して…という今までの誤った温度感を訂正。
●遊び:タッチパネルゲームで盛り上がり過ぎ
・トラックにごみを積込み、処分場へ持ち込む量と速さを競うキャッチ&リリースゲーム。
・夢中になり「間違って持ち帰ってきた」というやってはいけないミスをするメンバーも。
●まとめ
45分程度の滞在だったが、創意工夫された展示とガイドさんの巧みな説明で大満足。本当は行きたかった埋立処分場の見学や空間線量率のモニタリング見学のほかにも、子ども向けのワークショップを開催しており、地元の方々の疑問や不安などの軽減にも役立っている。
汚染土受け入れのニュース等で他人事でネガティブな印象を抱いてしまっていたが、今回の訪問で福島の環境再生と復興への歩みが着実に進んでいる現状を知れて本当によかった。
最後に、名前の由来はリプロデュース(Reproduce)からとのこと。
廃炉資料館
廃炉現場の最新状況等を発信するために東京電力が運営する資料館
原発事故当時の状況、事故の教訓や廃炉状況等について学べる入館無料の体験型情報館。
第一印象が「え?炉心ってこんなに狭い空間なの?」という感想。<メルトダウン>や<デブリ取り出し>等は言葉としてTVドキュメンタリーで知ってはいたが、いざ原寸を目の前にすると思い描いていたイメージとの差と廃炉作業の厳しさに呆然とした。
もっと得体の知れない巨大な装置と思っていたので、こんな小さな空間で起きたことと現実に与えた想像もつかないほど大きな影響との差が大きすぎて現実味が全くなかった(宇宙の広さを知った時の感覚に似た意味分からなさ)
放射線の怖さも実感を伴わず被ばく線量上限が数値で示されているだけなので、人体への影響がいかに甚大なのか上手く展示できるとより理解が深まるのではと思った。
燃料棒のレプリカ:傘の骨のような棒に錠剤ほどの小さな核燃料がぎっしり詰まっている
あらゆる科学知識と技術が結集され出来上がっているのが分かる。精巧なエンジンのようで思わず美しさを感じてしまう展示に何とも言えない複雑な気持ちになってしまう。
●まとめ
60分程度の滞在だったが、展示内容が豊富で科学好きな自分としてはまったく時間が足らなかった。たらればではあるが事故さえ起きていなければ、原子力発電所の心臓部を支える技術を極端にブラックボックス化せず、原発に一切関わることのない一般の人でも十分に理解を促すことができる素晴らしい展示だと思った。
資料館全体のメッセージは事故を起こした反省(天災という言葉で片づけない)と教訓がベースとなっているが、故郷を追われてしまった人たちからすると「いくら体裁を整えたところで...」と、よりネガティブな感情に誘われると思う。
ただ一方でこういった施設があることで、いままで原発を支えてきた技術者や科学者、今も廃炉に向け努力を続ける企業や現場作業員、東京で電気を使って生活している自分など、それぞれの立場での思いや考えを俯瞰して想像することができる。原発に関係なく、あれこれ結論を急ぎたいフシのある人にはぜひ一度訪問をお勧めしたい。
東日本大震災・原子力災害伝承館
福島だけが経験した地震、津波、東京電力福島第一原発事故との複合災害の実態や、復興に向けた歩みを展示するとともに、被災住民による語り部講話を1日4回実施している有料の複合施設。
シアターのある常設展示室・企画展示室、資料閲覧室や研修室も備えている。
双葉駅から車で海岸に向かっているとまだ空地の目立つただ中に建物が見えてくる。
1階がガラス張りの美術館のようなたたずまい。
エントランス前は大型バス用の転回スペースがあり広々としている。強風もすごい。閉館時間を考えると自分たちが最終客と思われる。すみやかに入場料を支払いシアター展示室へ。
入ると思わず天井を見上げてしまうほど圧巻の円形シアターホール。
スロープ回廊をのぼりながら時系列に並んだ展示を鑑賞することで、東京電力福島第一原発の建設から事故までを概観できる構成。ほぼ最終入場の特権でゆっくり鑑賞できた。
スロープの七合目ほどでシアターが始まる。時間は5分ほど。あらゆる人が見ても理解しやすいよう配慮された実際の映像やアニメーションを交えた作品。ナレーションは福島県出身の西田敏行さんが務める。アドリブだろうかたまに差し込まれる福島訛りでの語り口が涙を誘う
(つづいて展示室へ)
展示室は取り上げ切れないほどのボリュームがあったのと、これらを語るに十分な言葉などありはせずとにかく一目見て頂きたい!筆者の思いから印象に残ったものだけをピック。(決して退館時間が迫っていたからではありません)
事故後の原発のジオラマ
作者は一体どういう心持ちでこれをつくったのだろうか、、、原発もジオラマも人の手が作り出したものではあるが、こんなに考えさせるジオラマは初めての経験。
原発竣工当時の小学生が書いた作文や習字
感傷を通り越してその不条理、無常さを思ってつい笑ってしまった。揶揄しているわけでは断じてなく、筆者の率直な感想。
左)被災者の1コマを捉えた報道写真コーナー
右)日没の近い海岸方面を眺める
なにも言葉にできません。とにかく一目見て頂きたい!
●まとめ
60分程度の滞在だったが、展示物が豊富なことに加えて被災された人々の思い、さらに被災地で暮らした方々の歴史が詰まっているため、まったく消化できずにもやもやした気持ちで施設を後にした。
これから何度も足を運ぶことで、訪れた人たちがまずは一度持ち帰りそれぞれ気になったことを調べたり、関係者とお土産話をする等ですこしずつ自分のなかで消化していく。そういった施設としては本当に素晴らしい展示内容だと思った。
惜しむらくは語り部講話を聞けなかったこと。次回訪れる時は必ず参加しようと思う。
現地交流
富岡のコワーキングでお仕事
二歩です!24卒・入社して1年未満の私、人生で初めてコワーキングスペースを利用しました!
日本語のお上手なカナダ人・マックスさんに出迎えていただき、「ご予約はされていますか?」の一言にハッ…。そっか!ワーキングスペースって予約がとれるんですね!便利!
決済も予約も全てオンラインで行うそうで、運営がしやすいように考えられているんだなと思いました。(でもマックスさんはてんでんばらばらに来たコクヨ社員に逐一説明をしてくれました、、懇切丁寧!)
中は弊社の商品がいっぱい!机もパーティションもコクヨです。あると嬉しいロッカーにコートかけ、無料のコーヒー…。だんだんと自社の中にいる気持ちになってきました。ワーケーション、今のところかなりワーク寄りです。
もちろんWifiもあるのでオンラインミーティングだって平気です。ミーティング終了間際に上司から「雪に気を付けてね~!」と言われてやっと、品川ではなく福島にいることを思い出すほどの「社内感」。
道路が近く好立地な割には騒音等もなく、集中して取り組める快適な環境です。
このターンでは田舎出身の私がワーケーションを通して感じたことを田舎あるあるの形式でお届けいたします。まず1つ目はコチラ、
田舎あるある:高い建物がないので山がやたら近くみえる
ニココさんとの意見交換
朝の仕事の後、写真スタジオ「コススタ」さんに移動し、現地の方との意見交換を行いました!写真スタジオらしからぬ作り、、?と思っていたら、どうやら元東邦銀行とのこと。どうりでやけに頑丈な扉があるわけだ!
コスプレをして写真を撮ることもできるそうで、コンセプトルームもありました。中でも黄金の部屋はなかなか衝撃でした、、、!!!
意見交換をさせていただいたのは株式会社ニココの代表取締役・中山さん。
子ども向けおもちゃのレンタル事業をしている会社で、たくさんのおもちゃを用意してくださっていました!
つみかさねカップにアンパンマンボンゴ、どれも自分の家や友達の家で見た記憶のあるようなものばかりです。童心を思い出させてくれる激アツのラインアップに、思わず社員一斉に手遊びが始まってしまうシーンも、、、
キャラクター系のおもちゃは今でも根強い人気とのこと。いつの時代も子どもに好かれるおもちゃは似るのかもしれませんね。
中山さんが最初にお話ししてくださったのは「なぜおもちゃレンタル事業を始めようと思ったのか」のプレゼンです。詳細を聞くにつれ思い出すのは、自分(二歩)の地元での娯楽のことです。田舎の方で生まれ育った私としては、子どもが一番最初に触れるおもちゃに格差がある状況はよろしくない、というフレーズにとても共感しました。
田んぼや山に囲まれた田舎の中では、外から得られる情報が(都会に比べ)少ない分、両親から買い与えられたおもちゃや近所の人との関わり合いによって得られる刺激がその子の人生や性格に大きく影響を及ぼすように感じます。
おもちゃを安価にレンタルできて、周りの子と同じように遊ぶことが出来る子どもたちが少しでも増えてくれたらいいなあと思います。
しかもこのおもちゃレンタル、もし壊れてしまっても、無料でフォローしてくださいます!子どもが壊してしまうかもという心配がなくなると、レンタルを選びやすくなる気もします。子ども思いな心遣いが素敵ですね。
田舎あるある:小・中学校の地区が同じだと仲間意識が芽生える
さくらモールでお昼ご飯
対談後は、近くのショッピングモール「さくらモール」でお昼ご飯を食べました!
東京では見かけないヨークベニマルがあり、量販営業担当としてちょっとテンションが上がったり(ヨークベニマルは福島県を中心に宮城県、山形県、栃木県、茨城県の5県に広く店舗展開しているスーパーマーケット)
かつてバイトしていたツルハドラッグがあり、もはやマブダチと再会した気分になったり。(ニココさんはこのツルハの正面でおもちゃの実演販売もしてたんだとか!)
浜鶏さんの親子丼おいしかった~!!地元のフードコートでこの味が食べられるなら毎日通ってしまいそうです。まずもって白米がおいしくて、卵の優しい甘さが絶妙でした。外が寒かった分しみるしみる、、フードコート内はお子さん連れが多く、小さい子たちがキャッキャしていて暖かな気持ちになりました。正に地域の方々の憩いの場になっているのですね。
田舎あるある:信じられないと思う程同級生と会いまくるので親といるとき若干気まずい 先生ともガンガン会う
おまけ:夜
酒や まーさんへ伺いました。もう何もかもが良すぎる。
私はあまりお酒が得意でないので、酒屋と聞くと身構えてしまいがち(ご飯に期待をかけないようにしがち)なのですが、まーさん、すごい、、ありがちなメニューじゃないのに、どれも本当においしくて安心するような味でした。
本当においしい時って写真撮るの忘れちゃいますよね。インスタグラマーへの道は遠い!
まとめ
最後も、またコクヨ社員シロが担当します。
今回、初・福島県や初・浜通りのメンバーも多かったので、復興途上の地域の現状や廃炉への道のりを学んだり、東京では味わえないグルメや地域の文化にも触れられたり、ワークもきっちりこなしながら、貴重なインプットが多い良い時間を過ごせました。震災被害の状況だけでなく復興の過程や廃炉の進捗など深い理解が得られました。コワーキングも充実しており、都内にいる時とそん色なく働くことで来た実感もありました。
短い滞在の間でも学びがあまりに多く前後編に及ぶほど書いてきましたが、まだまだ触れられてない部分も多いように思いますし、また改めて訪れたりするメンバーも多いのではないかと思います。
今回お世話になりました、福島県さんや、ニココさんや富岡町の皆さま、スリーツリークリエイトさん、みらいワークスさんに深く感謝申し上げます。
参考:ふくしまぐらし。ポータルサイト
※本記事は、2025年3月27日に公開した記事を一部再構成し、掲載しています。