社会
健康経営
コクヨは、多様な人材が健康なカラダとココロで生き生きと働ける環境づくりをし、従業員の顧客や社会へのヨコクとクリエイティブを支えることを健康経営の柱としています。健康経営タスクチームが「働きがい」「関係性の質」「働きやすさ」の3要素を重視し、従業員のWell-being向上を推進。高齢化や日本の低いワークエンゲージメントという社会課題とも向き合い、現場感のある施策を展開しています。

健康経営目標と2024年実績
健康経営推進に当たり、直近の状況を踏まえて、下記を注力モニタリング指標とし、目標を設定しています。
| 指標 | ワークエンゲージメント | プレゼンティーズム |
|---|---|---|
| 課題の状況 | 現状の自社のワークエンゲージメント指標は、直近でC+(2.43、偏差値54.7)との評価となっている。 まずは、全国平均値(2024年:52.7)を上回る状態を維持しつつ、さらなる向上を図っていく。 |
全国平均に比してプレゼンティーズムによる損失が大きい。 過去データから残業時間とプレゼンティーズムに強い相関が確認できており、過重労働対策を軸に、まずは全国同水準を目指す。 |
| 目標値 | 2.27(偏差値65、B相当) | 15 |
| 当初値 (2023年初) |
2.47(偏差値53.1、C+) | 21.5 |
| 現在値 (2024年初) |
2.43(偏差値54.7、C+) | 21.7 |
推進のための仕組み
健康経営体制
健康経営を推進するため、2022年度よりサステナブル経営体制Well-being部会の中に「健康経営タスクフォース」を設置しています。
中央安全衛生委員会・リスク委員会・健康管理スタッフ(産業医・スタッフ)・グループ各社健康推進者・コクヨ健康保険組合・コクヨ労働組合と、健康経営タスクフォース(人事部門)とが連携し、健康経営施策を推進しています。

健康管理の具体的なデータについては、こちらに掲載しています。
健康経営戦略マップ
健康経営を推進するに当たり、健康経営における目的・課題・効果・投資を体系的に整理しています。

取り組み
- 「健康経営銘柄 2025」に選定
- 働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」を通じたコクヨの健康経営ノウハウの発信
- マネジメント改革による残業時間の削減
- 女性の健康課題
- 福利厚生施策との連動
- 従業員の健康増進活動の促進
- 定期健診徹底活用プログラム
- 禁煙・分煙
- (コクヨ健康保険組合)コラボヘルス推進
- メンタルヘルス対策
「健康経営銘柄 2025」に選定
2025年3月11日、コクヨは、健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄 2025」に選定されました。また、コクヨとカウネットが経済産業省と日本健康会議が共同で認定する「健康経営優良法人 2025(大規模法人部門)(ホワイト500)」に、コクヨマーケティングが「健康経営優良法人 2025(大規模法人部門)」に認定されました。
健康経営銘柄は、東京証券取引所に上場している企業で、従業員などの健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する企業の中から、健康経営の取り組みが特に優れた企業を選定する取り組みです。また、健康経営優良法人認定制度は、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度です。コクヨグループでは、2022年にアップデートした「コクヨ健康経営宣言」(2019年10月制定)に基づき、今後さらにWell-beingの向上、健康経営増進の取り組みを進めてまいります。

働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」を通じたコクヨの健康経営ノウハウの発信
2021年2月、東京・品川に、働く・暮らすの実験場「THE CAMPUS」をグランドオープンしました。
「THE CAMPUS」は、コクヨが「NEXT EXPERIENCE」(長期的視点で社会課題解決に取り組んでいくこと)の活動を通じて、未来につながる価値を探求するため、さまざまな専門性や経験を持つ人々と実験・実践する場所として設立しました。これまでコクヨが実践してきた健康経営の知見やノウハウをはじめ、従業員や来訪者の心身の健康と安全・安心を守る提案を、「THE CAMPUS」を通じて広く社会に発信し続けています。
従業員や来訪者の心身の健康と安全・安心を守る主な提案
- テレワークなどの普及に伴い増加する従業員のメンタル不調の課題と対策
組織を超えたコミュニケーションによって新たな関係性構築を促進し、集中・没頭やリラックスといった、個人の目的に合わせた最適な空間や家具・什器・文具などを提案・発信 - 感染症予防対策
飛沫・接触・エアロゾル感染への対策や、IoTを活用した行動分析をもとに感染者の行動を可視化
など
上記の取り組みが評価され、「The CAMPUS」内の品川ライブオフィスと東京ショールームは、世界的な基準で「健康・安全性」を評価する「WELL Health-Safety Rating※」を国内の複合施設で初めて取得しています。
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※「WELL Health-Safety Rating」は、新型コロナウイルス感染症の流行を受け2020年6月にWELL認証運営機関のIWBI(International WELL Building Institute)により新しく公開された認証制度です。感染症対策(COVID-19など)をはじめ、そのほかの緊急事態対策、施設の清掃や消毒、空気や水の管理方法などの評価を、第三者機関が評価します。

マネジメント改革による残業時間の削減
2023年度は中長期の持続的成長のため、特に経営とマネジャーによるマネジメント改革が急務と位置づけ、伴走型のマネジメントスタイルの実践に取り組みました。具体的には業務を進めるうえで発生する課題を経営・マネジャー皆で解決するための1on1トライアルによりコクヨにおける1on1の型や仕組みを整備したり、業務の偏りを解消し市場価値の高い仕事をする環境を整えるための業務フォローアップ活動を実践したりしました。これはレイヤーごとに役割責任を定めたうえで上位層からメンバーに積極的に関与し、工数予測とタイムリーな状況把握により、それぞれが抱える困りごとを早期に解決していく取り組みです。これらのマネジメント改善が功を奏し、残業時間は大きく減少し、時間の使い方の変化につながりました。
2024年度は、上記の取り組みの定着化を図るとともに、休暇取得のハードルを下げる取り組みを実施していきます。
女性の健康課題
【課題背景】
これまで女性の働きやすさを考慮した取り組みが少なく、「女性が働きづらい」「男性と比較して育児や介護の両立がしづらい」という声が多数ありました。従業員構成としても、日本の平均的な企業と比較して、コクヨは若い女性が多く、女性特有の健康課題や育児・出産などのライフイベントに関わる従業員が増加しています。
そのため、2023年度以降、これまで以上に女性のワークライフバランスと健康課題の解決を会社として支援し、より働きやすい会社になるよう重点的に課題の解決に取り組みました。
【取り組み】
- 女性の健康課題に特化した産業医による相談窓口を開設
- 保健師による従業員との接点の強化として「ウェルネスステーション」を開設。気軽に従業員が産業保健スタッフに相談できる場を提供
- 女性の活躍推進に向けた健康面の課題解決のため、性別に関係なく働きやすい職場づくりを目指し、コクヨ産業医による「女性特有の健康課題(PMS・更年期障害、子宮頸がん・乳がん)セミナー」を実施。男性従業員にも積極的な参加を推奨
- 出産や育児などライフイベントを想像して不安を抱いている世代を対象としたセミナー・座談会・先輩従業員との交流会を実施
- 生理用品の備品化:花王「職場のロリエ」協力のもと本社トイレに生理用ナプキンをテスト設置
- 40歳以上に乳がん検診の実施を拡大、コクヨ健康保険組合による補助金体制を確立
(品川・本社オフィスだけでなく、芝山・三重工場にもマンモグラフィー検診車と乳腺エコー検査技師を派遣)
福利厚生施策との連動
選択型福利厚生制度(制度名:PLAY WORKマイレージ)において、「健康」を重点分野の一つに定め、従業員の健康増進活動を後押しする下記の仕組みを運用中です。
<従業員の健康増進に関する自己投資の支援>
従業員が健康増進活動をする際に生じた費用について、ポイントを用いて補助を受けることができる仕組みで、人間ドックのオプション受診や医療費、各種健康用品の購入費用に利用できます。2024年度は約211百万円の利用がありました。
従業員の健康増進活動の促進
軽度の運動や日々の生活のなかで健康を意識した行動の習慣化を実践してもらうため、ウォーキングや日々の生活習慣に応じて、上記選択型福利厚生制度での補助に利用できるポイントを獲得できる仕組みを取り入れています。より多くの従業員の参加を促すため、チーム単位で歩数を競い合うなどの「ウォーキングキャンペーン」企画も期間限定で実施しました。
また、従業員の身体の不調に関する健康リテラシー向上および改善を目的に、セミナー・サーベイ・トレーナーによる個別指導をセットにしたウェルネスプログラムも実施しました。
定期健診徹底活用プログラム
定期健診の受診前後に産業医によるセミナーを実施して、受診結果を次回に向けた改善につなげられるように、従業員の健康をサポートするプログラムです。オンライン形式で開催し、従業員のご家族も参加できるようにしています。
禁煙・分煙
日本たばこ産業(JT)が実施している全国喫煙者率調査の数値に比べ、コクヨの喫煙者率は、特に男性では「かなり高い」状態です。2020年4月11日より、多くの人が利用するすべての施設が原則屋内禁煙となったことに合わせ、全国のコクヨ事業所の屋内喫煙施設を全面廃止し、継続的に禁煙啓発活動を行っています。
(コクヨ健康保険組合)コラボヘルス推進
コクヨ健康保険組合ではコクヨと連携して、コラボヘルスの推進に取り組んでいます。
健康診断・がん検診については、コクヨとともに下記の対策を実施しています。
- ネットワーク健診の利用により健康診断(人間ドック含む)を全国の健診機関で受診することができ、被保険者と被扶養者が同一健診機関での同時受診が可能
- 大腸がん検診は、2022年より健康保険組合からコクヨに補助を行い、コクヨの実施する健康診断に組み込むことで、全従業員に実施
- 子宮頸がん・乳がん検診に対して補助上限を引き上げ
-2020年に乳がん検診補助上限を引き上げ(実費補助)
-2023年に子宮頸がん検診補助上限を引き上げ(実費補助) - 前立腺がん検診に2023年より補助を開始
- HPVウイルスとPSAの郵送検査を2023年より開始
(上記の子宮頸がん検診補助、前立腺がん検診補助を受けていない被保険者への対策)
また、24時間365日被保険者も被扶養者も利用できる「こころとからだの24時間相談ダイヤル」をコクヨとともに開設しており、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスなどの相談ができるほか、2023年より健康アプリを導入して従業員の運動習慣・食習慣・睡眠習慣などの改善に取り組んでいます。
メンタルヘルス対策
コクヨグループでは、法令に基づき、年1回の「ストレスチェック」を実施しています。
このストレスチェック実施期間外も、従業員一人ひとりが気軽にセルフケアを受けることができる体制づくりのため、外部機関が運用するEAP(従業員支援プログラム)を導入し、従業員自身の負担感への気付きを促し、早期に予防のサポートができる環境づくりを行っています。
また2021年からは、働き方や職場の課題の定点観測とより良い組織づくりに向けたチームでの対話の促進を目的とした「パルスサーベイ」を毎月実施しています。
サーベイ結果や人と組織のデータを総合的に見ながら事業部門と人事部門が対話し、優先的に取り組む課題の抽出とその対応策の実施を行っています。