関西から世の中の好奇心を刺激する。
『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』第2期の挑戦!
東京第1期を踏まえ、今回は初めて創業の地・大阪にあるコクヨ本社『KOKUYO HQ』へと舞台を広げて開催されます。異なる背景を持つ多様な企業が「共創」と「越境」を重ねることで、いかにして「世の中の好奇心を刺激する新たな価値」を創り出そうとしているのか。主催者・参加者のリアルな声を通じて、その未来図に迫ります。
この記事は約5分で読めます
INDEX
共創と越境を生み出す。『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』とは?
『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM(アンドワークプレイスコンソーシアム)』の狙いは、”これまでにない新しいプロセスで、これまでにない新しい価値を共創する”です。
昨今、多くの大手老舗企業で新規事業開発部門や新規事業共創施設が立ち上げられるものの、なかなか思い通り活性化せず、「既存事業視点での評価視点による意思決定の停滞」や「そもそも他社とのフラットな議論・共創の場が起こらない」などの問題点に直面しています。
こうした中、本コンソーシアムでは、これまで多くの企業が採用している新規事業共創プロセスを抜本的に見直し、独自の共創プログラムによる異業種間のコラボレーションアイデア出しや、その事業プラン策定を進めることで、「世の中のイノベーションの起こし方をイノベーションする」ことを目指しています。
プログラム設計には、北米中心に新規事業開発者の行動原則として注目を集める『エフェクチュエーション理論』など、先進のイノベーション研究を活用。さらに「部活」をモチーフに、企業間のオフィシャル過ぎる開発プロセス・体制とは異なる、有志による活発な議論・フラットなアイデア出しを進めていきます。
共創アイデア出しのテーマとしては、昨今、人的資本投資や企業カルチャー浸透に向けた経営投資として注目度が高まるワークプレイスに焦点を当て、多様な企業・団体のノウハウや知見をもとに、新たなワークプレイスの価値を見い出し、ソリューション事業を発掘していきます。
専属AIなども活用し、第1期は予想外のイノベーションの芽が生まれた
2025年度に展開した第1期では、市場調査から始める従来の新事業開発とは異なり、各自の資源を持ち寄りながら予測不可能な未来に対応していく『エフェクチュエーション』の手法を採用しました。カジュアルな雰囲気のなか、独自開発の専属AI「アンドワ」さんも活用しながら活発な議論を重ねました。
従来のオフィス業界の常識からは到底生まれないような意外なキーワード「DNA」「豪華客船」「ヤンキー座り」などが多数出現。異業種ならではの予想外の掛け合わせから次々とイノベーションの芽が生まれ、「OFFICE CONVERSATION GACHA」「農園オフィス」「10秒チャージブース」など具体的な新事業アイデアやモックアップが披露され、確かな手応えを残しました。
第2期は「東京・大阪の2拠点体制」へアップデート
2026年度に始動した第2期では、新たに大阪拠点を開設し、「東京・大阪の2拠点体制」へと活動規模を拡張しました。
新拠点となる大阪での活動は、コクヨの新本社「KOKUYO HQ」を舞台に行われます。単なるイノベーション創出にとどまらず、「関西経済圏の活性化」や、他企業や多様なプレイヤーを巻き込んだ「KOKUYO HQにおける社外コミュニティ形成」という象徴的な目的を掲げています。
さらなる広がりを見せる『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』第2期において、大企業の新規事業担当者からフリーランス、クリエイターまで、関西の多様なプレイヤーが熱い共創活動をスタート。
参加メンバーたちが未来の働く場をどのように描き、形にしていくのか、その始まりとなる第一回をレポートします。
『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』第2期がスタート
KOKUYO HQには、IT、食品、化学、製造、サービスなど、多様な業種から立場を異にするメンバー約30名が集まりました。普段の業務では接点を持つことが難しい異なるバックグラウンドを持つ面々が、フラットな対話を進めています。
実際の参加者からは、「誰も相手のアイデアを否定しない温かい空気感があり、すぐに打ち解けることができました」といった感想が聞かれました。業務外の「部活動」のようなリラックスした距離感で、活発なワークが展開されています。
偶発性を引き出す、ユニークなアプローチ
『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』のユニークな点は、最初から「唯一の正解」や「完成された事業計画」を設定しないという点。
プログラム内では、大谷翔平選手が活用したことで知られるアイデア発想法「マンダラート」を応用したシートや、突飛なアイデアの組み合わせを誘発するカードなどのツールが各テーブルに用意されました。
軽やかに壁を越える「共創」と「越境」の体現
各テーブルの対話の中では、キーワードである「共創」と「越境」が具体的な形で現れていました。
「相手の意見を否定せず、まずは受け入れて乗っかってみる」というスタンスのもと、化学や食品、ITといった専門知識が混ざり合っていきます。さらに、ビジネスライクな視点だけでなく、参加者個人のリアルな生活実感(例えば、「オフィスの室温は快適だがトイレだけが暑い」といった、身近な不満や課題感)から生じた本質的な問いが、議論の出発点となっていました。
他業界のメンバーの視点と交差しながら、その場で新しいワークプレイスのあり方を紡ぎ出していく姿は、会社という垣根を軽やかに「越境」し、新しい価値を共に創り出すプロセスの可能性を感じさせるものでした。
主催者インタビュー:ワークプレイスから「好奇心」を揺り起こす。コクヨが描く異業種共創の未来
本コンソーシアムの狙いと、そこに込めた想いについて、主催者であるコクヨの坂本氏に詳しくお話を伺いました。
コクヨ大阪新本社(HQ)から発信する、異業種共創の「部活動」
――まず、この『「」& WORKPLACE CONSORTIUM』を開催するに至った背景と目的について教えてください。
坂本:
コクヨは中期経営計画の中で、お客様や社会と共にワクワクしながら新しい価値をつくっていく「ワクワク価値共創サイクル(共感共創・体験デザイン・実験カルチャー)」というあり方を掲げています。
そのコミュニティ活動を象徴する取り組みの一つとして、大阪新本社を舞台にスタートしたのが『「」& WORKPLACE CONSORTIUM』です。
私たちが目指しているのは、ガチガチの新規事業開発ではなく、あえて業務外の「部活動」のようなフランクな距離感で、参加者が自身の「B面」を出し合える場づくりです。
一度会社の看板から離れ、異なる業界のメンバーがフラットに関係性を築き、お互いのアイデアを否定せずに育み、教え合うことができるカルチャーを大阪の地から広げていきたいと考えています。
第1期からの進化と、大阪ならではの「ツール化」という挑戦
――東京での第1期からアップデートされたポイントや、大阪ならではの狙いはどこにあるのでしょうか。
坂本:
大きな違いは、議論のプロセスを「ツール化・キット化」した点です。
第1期では、手書きの付箋などを使ってアナログにアイデアを広げていましたが、今回はトランプカードや特製シートなどのキットに落とし込みました。これにより、本コンソーシアムの場だけでなく、参加者がそれぞれの自社や別のコミュニティに持ち帰って、誰でも同じように共創のワークを展開できるよう実験を進めています。
大阪には独自の活気やポテンシャルがあります。この大阪新本社KOKUYO HQという場所が、単なるオフィスではなく、多様な人々が混ざり合うプラットフォームとして機能することで、関西から新しいイノベーションを後押しできればと考えています。
なぜ、いま「ワークプレイス」での異業種共創なのか
――「なぜ、いまワークプレイスで異業種共創なのか」という点と、他にはないコクヨならではの独自性について教えてください。
坂本:
これからの時代、AIが普及する中で人間が担うべき役割は、単なる知識労働から「感情労働」、つまり意思決定や人を動かすモチベーション、共感の創出へとシフトしていくと考えています。だからこそ、日々の大半を過ごす「ワークプレイス」において、好奇心や感情が刺激される仕組みが必要になります。
私たちの独自性は、アイデアを単なるオフィスの利便性向上にとどめず、社会全体の課題や本質的な欲求と結びつけていくアプローチにあります。異業種が交わることで個人の好奇心を刺激し、社会全体を少し面白くしていくきっかけを、「ワークプレイス」という文脈からつくっていくこと。
それが、コクヨがこのコンソーシアムに挑戦している理由であり、私たちの狙いです。
参加者インタビュー
『「 」& WORKPLACE CONSORTIUM』に参加された、羽山さんに、第2期初回の感想をお聞きしました。
――今回、企業からはどのような課題感や期待を背負って参加されたのでしょうか。また、羽山さんご自身の期待値についても教えてください。
羽山さん:
「なんだか面白そうな取り組みがあるから、ちょっと行ってみよう」というフランクな形で参加しました。
ただ、私個人の「ワークプレイス」に対する身近な不満や問題意識はありました。例えば、最近はどこも暑いですよね。オフィスに限らず、家でもリビングはエアコンが効いているのに、トイレに入るとエアコンがなくてめちゃくちゃ暑い。
こうした「ちょっとした身近な不満や不快感」って、ワークプレイスを考えるうえでのリアルな出発点になるなと感じています。
自分自身の期待値としては、事前の精緻な計画ではなく、この場を通して「とにかく何か面白いものが作れたらいいな」ということ。新しいアイデアやカルチャーが生まれる、その瞬間に立ち会えること自体を嬉しく思い、楽しみに参加しています
段の社内業務でのアイデア出しと比べた「新鮮さ」や「発想の広がり」
――普段の社内でのアイデア出しと比べて、本コンソーシアムのワークショップにはどのような新鮮さや違いを感じましたか?
羽山さん:
今回体験してみて新鮮だったのは、とにかく「遊び心のあるツールが豊富に、丁寧に用意されているな」という点です。アナログなトランプカードや掛け合わせのシートなど、参加者が構えずに思考を広げられるよう、仕組みやツールにしっかり工夫が施されていると感じました。
普段の業務的なブレストはどうしても堅苦しくなりがちですが、こうしたツールがあることで、自然とアイデアの広がりや楽しさが引き出されているように思います。
異業種メンバーとのディスカッションによる刺激と、持ち帰れる変化
――異なる業種のメンバーとディスカッションをしてみて、どのような刺激がありましたか? また、自社にどのような変化を持ち帰れそうでしょうか。
羽山さん:
「異業種共創」という文脈で言うと、今回の参加メンバーは大手企業に属している方が多く、業種は違えどビジネスの土台や規模感が似ているため、正直なところ、アイデアのバラエティとしてはまだ同質的な部分もあるなと感じています。
私自身、普段から地域や街づくり系のコミュニティにも関わることがあるのですが、そうした場では、お坊さんや伝統工芸、華道の関係者など、それこそ「お互いに全然わけのわからない仕事をしている人たち」がフラットに混ざり合っています。そうした、より大きなギャップがある人同士が対話した方が、さらに全く違う発想が生まれるのではないか、という気づきもありました。
ただ、こうして異なる会社から集まったメンバーが、それぞれのモチベーションや今抱えているリアルな課題を本音で語り合うのを聞けるだけでも、非常に面白い刺激になっています。
「共創」と「越境」は始まったばかり
『「」& WORKPLACE CONSORTIUM』第2期は、これから全4回にわたるワークショップを重ね、最終回である第5回の成果発表会に向けて進んでいきます。
身近な問いから生まれたアイデアが、異業種共創のプロセスを経てどのような形に結実するのか。最終回での発表が楽しみです。
大阪新本社KOKUYO HQを舞台に始まった、第2期『「」& WORKPLACE CONSORTIUM』。ここが、関西を起点とした新しい好奇心の震源地となり、これからの時代に求められる共創と越境を加速させていく未来を予感させます。